子どものビジョントレーニングはスポーツと学業を向上させる Ⅵ
やっと日本でも浸透してきた感のある「ビジョントレーニング」。テレビ、雑誌、本などで紹介され「目をトレーニングする」ことの重要性が理解されてきたようです。<ビジョントレーニング 内藤貴雄著より>
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コップ視野
用意するもの:
口が直径5センチほどの小さめのガラスコップひとつ。ふたつの椅子
1.指導者と子どもが50センチほど離れて向き合い、姿勢よく座ります。
2.指導者が片手にコップを持ちます。
3.コップの口を子どもに向け、なるべく腕を伸ばし、子どもの視野の外側に揚げます。
4.子どもは正面に座った指導者の鼻を見つめながら(鼻から目を離さず)、片手の人差し指をゆっくりと差出、掲げられたコップの中に指を縁に触れることなく入れるようにします。このとき、腕の動きを自分の頭の後ろからスタートさせることが重要です。つまり、自分の指も自分の視野の外から始動させるのです。子どもは周辺視野にうまく意識を向けながら自分の指を動かします。(写真1,2)
5.うまくいかなかったら、もう1回やり直します。
6.指導者は、再び違う箇所にコップを掲げ、繰り返します。(写真3,4)
7.ふたりの向かい会う距離を短くしたり、コップの口をさらに小さくものにしたりすると難易度がアップします。
8.子どもふたりでおこなってもかまいません。
9.目を動かすときに重要なのが、実は周辺視野。眼球の機動サイクル、reach、grasp、hold、releaseでも、うしろでこのサイクルを上手に誘導してくれる一因に周辺視野の使い方のうまさがあります。眼球が次にどこへ行くべきか、ぼんやりですが広く視野を捕えることによって、正確性が増すのです。
■チェックすること
1.視線はいつも相手の鼻に固定できていますか?
2.顔を動かしたりしていませんか?
3.急がずじっくり取り組めていますか?
シャバ・アーサナ
YOGAにはさまざまなポーズがありますが、最後に必ず行うポーズがあります。それが「シャバ・アーサナ」と呼ばれる「屍のポーズ」。ちょっとこわい名前がついていますが、実際には、まるで屍のように完全にからだ中の筋肉を緩め、心も体も休憩できるリラックス・ポーズなのです。毎回ビジョントレーニングのセッションが終わったあと、このポーズをとって、子どもが心身ともにリラックスできるようにしましょう。子どもによっては寝てしまう場合もありますが、10~15分くらいのことです。心配いりません。
用意するもの:なし
なし
1.子どもは仰向けになります。
2.両脚を腰幅以上に開きます。
3.手のひらを上に向け、両脚を体側に伸ばし、わき腹から少し開きます。
4.全身だらりと力を抜きます。
5.眼を閉じてまぶたの力を抜き、足元もゆるめます。(写真1,2)
6.ゆっくりと静かに深く呼吸をさせ、呼吸に意識を向けることにより自然にリラックスしてくるのを待ちましょう。
7.全身の力を抜いて、床に身をまかせ、からだをリラックスさせます。
8.シャバ・アーサナは最もリラックスできる瞑想の姿勢でもあります。身体を冷やさない程度に、トレーニングの最後に5〜15分行いましょう。