子どものビジョントレーニングはスポーツと学業を向上させる Ⅳ
やっと日本でも浸透してきた感のある「ビジョントレーニング」。テレビ、雑誌、本などで紹介され「目をトレーニングする」ことの重要性が理解されてきたようです。<ビジョントレーニング 内藤貴雄著より>
アメリカ大統領のお嬢様・・・こちらへ
■カレンダーロック:
用意するもの/壁のカレンダー、名刺1枚。メガネやコンタクトレンズの装用者はそれらを着けておこないます。
1.ひらがなチャートを壁に貼ります。
2.壁に貼ったチャートからゆっくりと離れ、その数字がボケ始める少し前の距離で立ち止まります。
3.名刺を右手に持って腕を伸ばし(写真1)、左手で左目を覆います。
4.名刺なある電話番号などのなるべく小さい数字や文字にピントを合わせ、そのまま名刺をゆっくりと右目に近づけます。(写真2)
5.名刺の数字がボケはじめたら手を止めます。
6.名刺を目から少しだけ離し、ピント合わせできるかもう一度します。もしピントが合ったら再び少し近づけてみます。ボケたらまた少し離し、もう一度ピントを合わせながら目にギリギリまで近づけてみます。(写真3)
7.名刺の数字にしっかりピントを合わせ、ゆっくり3つ数えてから一気にチャートの数字に視線を移します。その数字にできるだけ遠くピントを合わせるようにします。子どもによっては非常に長く時間のかかる場合もあります。(写真4)
8.チャートの数字にピントが合ったら、再び名刺の数字に視線を戻し(写真5)、ピントが合ったら再びカレンダーの数字へと戻ります。(写真6)
9.これを数回繰り返し、少しでも早くピント合わせの行き来ができるようにします。
10.以上を左目でもおこないます。
11.両方の目のピント合わせのスピードが同じぐらいになったら、両目を開けたまま両目で同時におこないます。
■コップ視野:
用意するもの/口が直径5センチほどの小さめのガラスコップひとつ、ふたつの椅子
1.指導者と子どもが50cmほど離れて向き合い、姿勢よく座ります。
2.指導者が片手にコップを持ちます。
3.コップの口を子どもに向け、なるべく腕を伸ばし、子どもの視野の外側に掲げます。
4.子どもは正面に座った指導者の鼻を見つめながら(鼻から目を離さずに)、片手の人差し指をゆっくりと差出、掲げられたコップの中に指を縁に触れることなく入れるようにします。つまり、自分の指も自分の視野の外から始動させるのです。子どもは周辺視野にうまく意識を向けながら自分の指を動かします。(写真1,2)
5.うまくいかなかったら、もう1回やり直します。
6.指導者は、再び違う箇所にコップを掲げ、繰り返します。(写真3,4)
7.ふたりの向かい合う距離を短くしたり、コップの口をさらに小さくものにしたりすると難易度がアップします。
8.子どもふたりでおこなってもかまいません。
9.目を動かすときに重要なのが、実は周辺視野、眼球の軌道サイクル、reach、grasp、hold、releaseでも、うしろでこのサイクルを上手に誘導してくれる一因に周辺視野の使い方のうまさがあります。眼球が次にどこへ行くべきか、ぼんやりですが広く視野を捕えることによって、正確性が増すのです。
10.チェックすること
・視線はいつも相手の鼻に固定できていますか?
・顔を動かしたりしていませんか?
・急がずじっくり取り組めていますか?