スポーツと眼に関して Ⅱ スポーツと視力
平成27年1月26日 東洋経済新聞より 抜粋・
無名のメガネ捕手、古田が殿堂に入ったワケ
「メガネ男はプロじゃ無理」覆した反骨心
プロ入り当時の視力は「裸眼0.1くらいかな。(視力検査表の)一番上が見えるかどうかだったから」。おまけに乱視がきつかった。「当時乱視のソフトレンズがなくて、矯正するにはメガネしかなかった」。矯正視力は1.2あったという。メガネをかけるようになったのは大学に入ってから、兵庫県の川西明峰高校時代は視力が0.5ぐらいあって裸眼でプレーしていたが、「受験勉強で一気に悪くなった」という。一般入試で立命館大学経済学部に合格。その代償として視力が低下した。タテの規律が厳しい体育会。キャンパス内で先輩に合えば、大きい声であいさつなければならない。「見えませんでした、気が付きませんでしたじゃすまされないんで、もうメガネをかけるしかないと・・・」。こうしてメガネの捕手が誕生したのである。メガネのせいで「無視」されたドラフト・・・
2015年 1月26日 東洋経済新聞より・・・こちらへ
<スポーツと目>
■視力不足のハンディ・・・こちらへ
■スポーツ選手の視力矯正
1990年度学校保健統計(文部省)によれば、児童、生徒の視力低下は年々すすみ、裸眼視力が1.0未満の割合は中学生で41.6%、高校生で56.4%(いずれも男女平均)もあり、いずれも過去最高を記録している。このうち、日常生活で不自由を感じる目安である視力0.3未満の増加はいちじるしく、中学生の17.6%、高校生で56.4%(いずれも男女平均)もあり、いずれも過去最高を記録している。このうち、日常生活で不自由を感じる目安である視力0.3未満の割合は著しく、中学生の17.6%、高校生の29.9%が0.3未満である。17歳(高校3年)では31.6%と、ついに30%を超え、今後も増加の一途をたどるとみられている。 2014年における1.0未満に至っては、高校生で62.89%・中学生で53.04%である。 スポーツを盛んにおこない、選手としても成長する青少年の半数以上が視力1.0未満で、しかも、何らかの矯正が必要な0.3未満が30%というのが我が国の状況である。以前は、スポーツ選手は目がいいと相場が決まっていたが、これからは眼のいいスポーツ選手は希少価値になるのではなかろうか。 視力のよい人だけがスポーツをするわけではないので、今後、スポーツをする場合の視力矯正は重要な問題になってこよう。視力が低ければ、正確に矯正しなくてはならない。視力矯正によってパフォーマンスが向上することが期待できるし、また、安全上からも必要である。どこまで矯正したらいいかはスポーツによって違っているが、基本的には1.0得られる視力までが目安になると考えられる。実際に、スポーツ選手はどのように視力矯正をしているのだろうか。東海学生リーグに所属するスポーツ選手326名(男265名、女61名)、平均年齢19.8歳の調査によれば視力(両眼視、裸眼)が1.0未満のものは全体の41%である。アンケートによるものなので若干、正確さを欠くが、スポーツ選手の視力の実態を反映していると考えられる。 これによると、このうち、日常生活で矯正している人は116名で全体の36%である。どのくらいの視力であれば矯正するかであるが、0.8では矯正する人はほとんどなく、0.7で43%、0.6で67%、0.5が90%、0.4以下は100%である。つまり、0.7が日常生活で矯正するかどうかの目安で、0.5以下ではほとんどの人が矯正しているようである。さて、日常、矯正している116名のうち、スポーつでも矯正をする人は約70%である。視力が0.3以上ある場合、矯正する人は33%であるが、0.2以下では83%が矯正している。スポーツでは、視力が0.2以下になるとほとんどの人が矯正せざるをえないようである。日常生活では矯正しても、スポーツはできれば矯正したくない、しかし、0.2以下では不自由なので、やむをえずという意識がうかがえる。
日常、矯正してもスポーツではしない主な理由として、メガネの場合、ずれる、けがが心配、落ちる、曇るなどがあげられ、コンタクトの場合、ほこりなどで目が痛い、ずれる、落ちるなどがあげられている。このように、スポーツをするときには見え方に不自由を感じながらも、わずらわしさから矯正しない人が多い。慣れればとか、勘にたよってスポーツをするというのが実際のようである。この調査では、スポーツをするときの矯正は、コンタクトレンズ(CL)が70%をしめ、メガネは30%である。スポーツではメガネは少数派になりつつある。コンタクトレンズの種類は約75%の人がソフトレンズ、21%が酸素透過性ハードレンズを使用している。