中・高齢者のゴルフと目の関係
中高年の眼鏡トラブルは、遠くのボールが追えないことや、ナビ搭載カート、スコア記入どきの見にくさ等の不便を感じておられる方もいらっしゃると思います。これらの問題を解決するためのお役に立てば幸いです。
■ご存知ですか? ゴルフ時の遠中レンズ・・・・・・
日常生活に使用している遠近累進レンズ(一般的な遠近両用メガネ)をそのままゴルフで使用すると、人によってはボールとの位置関係がつかみにくくなる。ゴルフでは、シングルプレーヤーは別として、構えにもスウィングにも癖があり、その癖はなかなか治すことができない。例えば、ティーアップしたボールを見るときに、まっすぐ構える人、少し右を向いて構える人、顎を引く人、顎を出す人、さまざまである。つまり、視線が眼鏡レンズのどこを通るかにより、遠近レンズでの視力障害や歪みを自覚することとなる。特に、近方重視型の遠近累進レンズを装用している人においてはさらに自覚しやすくなる。これらの人に対しては、フォームを治すことはなかなかむずかしいので、いかにその人に合ったゴルフどきの遠近(遠中)眼鏡を作るかが大切である。
①一般的な遠近両用レンズ設計 ②ゴルフ向き遠中両用レンズ設計
同じレンズ、同じフレームでも、レンズ加工や調整の仕方によって装用感が変わります。ゴルフに適した機能が、眼鏡技術者によっても変わります。
■中高年の方が、年々高く上がったゴルフボールが見にくくなる原因に視機能低下と、短波長の紫外線、可視光線の青色光が散乱しやすくなり、白いボールが目立たなくなる。これを補正するためには、一般的なサングラスレンズカラーではなく、遮光レンズ(フィルタ)や偏光レンズの使用が必要である。
■紫外線や青色光、そして眩しさ対策のレンズもいろいろ。
・紫外線とは?
紫外線とは400nm以下の波長をいいます。紫外光いわゆる可視光線の外側(短波長側)に位置するためこう呼ばれています。そしてこのUVはCIE(国際照明委員会)やWHO(世界保険機構)で、波長によりABCに分類されています。紫外線UV-Cはオゾン層に吸収されますが、UV-A(315nm~400nm)は水晶体への日々の蓄積により白内障を誘発することがあり、また、UV-B(280nm~315nm)は角膜に吸収され、角膜炎をひきおこしたりするといわれています。
・青色光のことご存知ですか?
見逃してならないのが、可視光線であっても波長の短い「青色光」までは、弱いながらも人体に科学反応を起こす力がある点です(ここでは、可視光線のうち380ナノメートルから495ナノメートルまでを「青色光」と呼ぶことにします)。紫外線は上記記述のように物質に吸収されやすいために、眼の表面にある角膜や水晶体に吸収されますが、青色光は可視光線なので、眼の奥の網膜まで届きます。そのため、眼の健康のためには紫外線対策はもちろん、青色光への対策も重要なのです。
□遮光レンズ
一般的なサングラスとの違いは、ファッション性を重視するために、見え方を犠牲にされています。特にサングラスの定番カラーであるグレー系サングラスは、目に入る光を均一にカットするため、まぶしさの原因となる光だけでなく、明るさを感じる光もカットされてしまい、明るいところではまぶしさが残り、少し暗いところでは視界が暗くなりすぎることがあります。
・一般的なサングラス装用時のイメージ ・遮光レンズ装用時のイメージ
遮光レンズカラー・・・
まぶしさの要因となる500nm(ナノメートル)以下の短波長光(紫外線+青色光線)を効果的にカットし、それ以外の光を出来るだけ多く通すよう作られた特殊カラーフィルターレンズです。 そのため、コントラストがハッキリすることによって対象物の認識が鮮明になります。
偏光レンズでもなく、サングラスレンズでもなく、
・まぶしさのイメージ ・遮光レンズ装用時のイメージ
・まぶしさがある場合、光が反射して全体的に白っぽく霧がかかったように見えます。
・遮光レンズを装用することで、まぶしさが抑えられ、物の輪郭がはっきりし、見え方を改善します。
遮光レンズは、目に入る光を選択し、まぶしさの原因となる光はカットし、黄色や緑色などの明るさを感じるために必要な光はできるだけ多く取り込むことができるため、同色、同濃度のサングラスに比べ、明るさを確保します。
□偏光レンズカラー・・・
路面、水面、窓面をはじめ、車、建物など様々な物体からの乱反射光線を効果的にカットする特殊なフィルター機能を持つレンズで、ギラツキを抑え、くっきりとした視界を確保します。
偏光レンズサングラスのカラーはフィールドでは水面の反射、風、水しぶきはホコリ、紫外線などによって適正なカラーが違ってきます。一般的には何種類もの偏光レンズの色を持つことはないと思われますので、どの様な状況下で眩しさを強く感じるかでカラーを決めればよいと思います。例えば、時間帯によって太陽光の反射が変わってきますし、場所や天気の状態によってもかわってきます。 偏光サングラスの中には何種類かの偏光レンズカラーをセットされている商品もございます。
例えば、晴天時と曇天時で偏光レンズカラーを変える事で全く見え方も異なります。 基本的な考え方としては上記自然光を分析した色調をご覧下さい。 左側に近いほど紫や青の波長が光が占有し、右側になるほど赤やオレンジの波長が占有しています。
紫の波長が少なくなり、赤やオレンジの波長が多く、かつ光の量が多くなった状態が晴れた日の自然光です。 この赤やオレンジの波長は赤外光などの成分を多量に含んでいる為、目に暑く感じさせます。 その為、赤やオレンジの波長を反対色でさえぎりさらに光量を落とすことが重要になります。 偏光レンズカラーとしてはグレー系が最適と思います。
赤やオレンジの波長が少なくなり、青や紫の波長が多くなる為に物の輪郭をぼやけさせてしまう特徴を持っています。 このぼやけた輪郭を認識しやすくする事が大切になる為、青や紫の反対色である赤の成分を含んだブラウン系のカラーを選ぶ事が重要になります。
■ゴルフにおいて視覚の役割が大切なシーンをご紹介いたします。
ゴルフは、すばやいボールの動きや敵の動きに反応する必要がないので、「動体視力」「瞬間視」などの重要度は、低いポイントとなっています。ただし、距離感の目測や方向の正確性のために、「深視力」と「周辺視野」は、高い能力を必要とします。「視覚化能力」は、ショットやゲーム・マネージメントのために欠かせない要素で、「視覚集中力」もショットやパット」を向上させます。「静止視力」は、それほど高い能力を必要としませんが、「深視力」を得るためには、左右の視力差が大きすぎては困ります。なお、乱視があると、グリーンの傾斜が読めなくなるおそれがあるので、矯正しなければなりません。ゴルフの必要レベルを5段階で表示すると ①.静止視力=3 ②.動体視力=1 ③.眼球運動=5 ④.焦点調節/輻輳・開散=3 ⑤.深視力=5 ⑥.瞬間視=1 ⑦.眼と手・足の協調性=5 ⑧.周辺視力=5 ⑨.視覚化能力=5 ⑩.視覚集中力=5 であります。