ゴルフにとって重要な眼の機能のこと
ゴルフと目の関係は重要
ゴルフが技術的に向上してきたが、スコアが伸びないなどの原因の1つに「目の機能」のレベルも考えられます。
■はじめに
ゴルフは、すばやいボールの動きや敵の動きに反応する必要がないので、「動体視力」「瞬間視」などの重要度は、低いポイントとなっています。ただし、距離感の目測や方向の正確性のために、「深視力」と「周辺視野」は、高い能力が必要とします。「視覚化能力」は、ショットやゲーム・マネージメントのために欠かせない要素で、「視覚集中力」もショットやパットを向上させます。「静止視力」は、それほど高い能力を必要としませんが、「深視力」を得るためには、左右の視力差が大きすぎてはこまります。なお、乱視があると、グリーンの傾斜が読めなくなるおそれがあるので、矯正しなければなりません。
■距離の予測に大切な深視力
距離の予測は、直接スコアに影響する大切な能力です。セカンド・ショットで距離を誤認しクラブ選択をまちがえると、せっかくグッド・ショットをしても、池やバンカーなどにつかまったり、OBにmなりかねません。また、アプローチやパッドなどでは、微妙な距離感が、ショットやストロークに影響を与えます。もちろん距離の予測力は、経験によって養われるものですが、そのペースとなるものは深視力です。
■スイングと攻め方を完璧にする視覚化
ティーショットでもアプローチショットでも、スイングの基本は一緒です。しかし、各状況に応じたショットを成功させるには、微妙にスイング・イメージを変えなければなりません。そのイメージを、できるだけ理想的に描くのが、視覚化の能力です。また、コースの攻め方にも、視覚化が必要です。ティーショット、セカンド、アプローチを、どこにどんなショットで行うかを、事前にイメージングしておかなければなりません。
■コントロールの正確さに欠かせない視覚集中力
連続2ホールでホールインワン記録した人は、世界で19人いるそうですが、それは奇跡。ホールインワンの確率は一説によれば4万分の一。ゴルフボールをコントロールしようなどと思うこと自体不遇と思うべき数字です。しかし、心構えは不遇であるべきです。漠然とあの辺りにと思うのではなく、具体的に松の木の右脇3メートルと目標を定めます。目標を小さくすることで視覚集中力が増し、より正確なショットが生まれます。
■傾斜の読みを正確にするには乱視を治す
コース上はティーグラウンド以外、すべて多少なりと傾斜しています。ティーショットやセカンドショットで、目標地点の傾斜を読み違えると、思わぬ場所にボールが転がります。また、グリーンの傾斜やアンジュレーションを把握することも大切。傾斜の読みをまちがえれば、ボールはピンから遠ざかります。ライやグリーンの傾斜、アンジュレーションは、乱視があると平らに見える場合があるので、必ず矯正しなければなりません。
■スイング中のバランス維持に必要な周辺視力
ゴルフのスイングは、背骨を軸にした回転運動で、スイング中の軸の固定が、ショットの正確さを生み出します。たとえわずかでも、軸が前後左右にブレたり、上下に動いたりすれば、ダブリ、トップ、シャンクなどが起こりかねません。軸の固定をするには、ヘッドアップを防いだり、スイング動作を整えることが大切ですが、周辺視力も少なからず回転運動中のバランス維持に影響していると思われます。
■ゴルフと目
山間部のゴルフ場で、極端な打ちおろしのショート・ホール。距離は150ヤード。天気は快晴無風。視界はかなりよい。こんなとき、つい番手をまちがえてしまうことがあります。打ちおろしなので10ヤード差し引き、7番140ヤードとすべきところ、非常に近く見え、8番でショートなどとなりかねません。こんなミス・ショットが起こるのは、眼の錯覚からです。視野の下方にあるものは近く見え、視野の上方にあるものは遠く見えます。また、視界がよいと目標が近く見えます。つまり逆に、霧や雨で視界が悪いとき、打ち上げでグリーンが視野の上方にあるときは、実際の距離より遠く見えるものです。それから、池やバンカー越しのアプローチの場合、距離は実際より長く見えます。方向の感覚に関しては、まわりの風景によって狂わされることがあるので、必ず真後ろからボールを見てアドレスする習慣をつけなければなりません。