度付きスポーツグラス&メガネと目の保護グラス

例えば、サバイバルゲーム時の保護メガネや、サッカー・バスケットボール・ラクロス・アメリカンフットボール時等の度付きゴーグル、学校・クラブチームのスポーツによる眼損傷の予防としての保護用度入りグラスをご提案。

スポーツ用グラスと視力と視機能について

子供から大人までの野球、ゴルフ、スキー、オートバイ、サーフィン等のスポーツ競技は、運動能力だけでなく、目の能力も大変重要と言われています。この様な競技に合ったスポーツグラス選びも大切です。

スポーツグラス度入りの選び方

スポーツの競技(種目)をされる方が全員「目が良い」とは限りません。スポーツ競技時のメガネのフレームやレンズ、サングラスの度付き選びは、競技におけるパフォーマンスの成果が違ってくることご存知ですか。

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スポーツと目 2 特殊視力

2011年7月2日 – 7:11 PM

 スポーツと目、スポーツメガネ度付きとスポーツサングラス度付きの関係は重要です。

2つの動体視力

一般に視力といえば静止視力(Static Visual Acuity)のことである。日常生活では静止能力が重要であるが、交通視覚やスポーツの分野では動くものがほとんどなので、静止しているものを見る視力よりも、動くものを明瞭する視力の方が意味があるのではないかという考えがあり、視標を動かして動くものを見る視力(動体視力)を測定しようという試みが以前からおこなわれている。
動くものに対する視力の研究は、わが国と欧米、とくのアメリカとでは異なる経緯がある。ルドビッヒは、視標を円弧状に動かし、これを明視する視力の研究を重ねている。ルドビッヒはこのような視力SVAに対し、Dynamic Visual Aculity(DVA)と名づけている。
スポーツ競技においては視力不良がハンディになることがあり、スポーツメガネは重要です。 DVAは、円弧状のスクリーンにランドルト環を左右に移動させ、見る距離(視距離)を一定にして、切れ目の判読をするものである。どのくらいまで速度が遅くなったとき判読できたか、速度の低下率で測ろうというものである(左図6)。視距離が一定なのでDVAに関係するのは、視標の動きに合わせて滑らかに動く眼球運動と視野の広さであるという。現在、アメリカの動体視力は、水平方向に動くものを見る能力という概念である。
一方、わが国では動くものに対する視力の研究は交通視覚がもとになっている。眼の前に直進してくるものや、自分が直進したとき、相対的に直進してくることになる対象を明視する視力という考えである。主として鈴村によって研究がすすめられた。鈴村は動く視標に対する視力を動体視力と呼び、直線的に遠方から眼前に近接する物体を明視する能力と定義し、これをKinetic Visual Aculity(KVA)と名づけられている。
動体視力計は、ランドルト環が50mの距離から眼の前に直進してくるように見えるレンズを使った装置で、標準的には視標は8.3m/secの速度で動くようになっている。直進してくるランドルト環の切れ目がわかったところでボタンを押し、何mの距離で判別できたか、その距離を視力値におきかえるものである。DVAが速度の低下率で表すのに対して、KVAは視力値で表すことができる特徴がある。

スポーツ競技の中でも、球技においては視力不良は競技にとってとても不利になることもある。 動体視力計はその後いろいろな改良が重ねられ、現在では装置もコンパクトになり、視力値もデジタル表示されるようになっている(左写真1)。鈴村によれば、動体視力には眼の調節作用、網膜機能、中枢が関係しており、なかでも視標の動きに合わせた滑らかな調節作用がもっとも重要であるという。
DVAもKVAも、ともに対象が動いているので「視標の切れ目がわかった→ボタンを押す」という反応時間が含まれ、実際にわかったところより若干、視力値はわるく(低く)なる。したがって、とくに反応時間の遅い幼児、子ども、老人などの動体視力の測定では実際に視力がわるいのか、見えているが反応が遅いのかを考慮しなければならない。

動体視力の発達

一般に動くものを見るときの視力は低下しているが自覚的に感じないことが多い。動体視力(KVA)は、動くものの速度が速いほど低下が大きい。たとえば、静止視力が1.2であっても、時速30kmで動けば視力は0.9、60kmでは0.8に、100kmでは0.6ぐらいに低下する。
さて、このような動くものを見る能力は、いつごろから発達するのであろうか。

スポーツと目の関係において、競技によってスポーツグラスの選び方が違ってきます。 図7は、渡辺らが観測した満5歳から11歳までの幼児・児童の静止視力と動体視力の発達の様子である。(注→この測定では、反応時間の遅れが視力値に影響しない工夫がされている。)
まず、静止視力をみると、5歳児で静止視力はすでに1.25あり、その後、少しずつ向上している。10~11歳の視力は約1.30である。3~17歳の視力を測定した大江の結果では、5歳児の視力は1.19、6歳では1.12、7歳は1.32である。その後もじょじょに向上し、10歳では1.37、11歳では1.35で、渡辺らの結果とほぼ一致している。静止視力は5歳までに急速に発達し、すでに5歳児でほぼ大人並みの視力があり、その後は少しずつ向上して、9~10歳ころまでにできあがるようである。
これに対して動体視力はどうであろうか。渡辺らの結果によれば、動体視力は5歳児ですでにお0.95である。その後、6歳から10歳までに少しずつ向上している。渡辺らは、動体視力は静止視力の発達に追いつくとしている。また、動体視力の発達に男女差はないとしている。

動体視力のトレーニング

前述したように、わが国の動体視力研究経緯は、主としてドライバーの交通視覚の分野が主であったため、これをスポーツに応用した研究は少ない。
山田はスポーツと動体視力の関係について多くの研究をおこなっている。そのなかでスポーツ選手は動体視力がすぐれており、また動体視力はトレーニングによって向上するとしている。山田の実験は次のようである。
大学生のスポーツ選手(ボールゲーム)と、日常、スポーツをしていない大学生、各々10名を選んで21日間連続して、動体視力(KVA)の主因と考えられる調節能力をトレーニングしたものである。トレーニングとは、accommodo-polyrecorderという装置を使って、5mの距離のところと、その人の近点に視標を交互に提示し、これにすばやく眼の焦点を合わせることをくり返すものである。近点に提示された視標を明視できるまでの時間(これを調節緊張時間という)が短縮すればトレーニング効果があったと判定するものである。
その結果、日頃スポーツをしていない大学生の調節緊張時間は急速に短縮し(トレーニング効果があった)、21日間のトレーニングの終わりごろにはスポーツ選手とほぼ同じになり、しかもこの時間が短縮するとともに動体視力も急速に向上したのである。
一方、スポーツ選手もこのトレーニングによって調節緊張時間も短縮し、それに応じて動体視力も向上したが、スポーツをしていない人にくらべてその効果はわずかであった(図8)。

スポーツのメガネ選びは、競技や年齢によって違ってきます。スポーツメガネ年門店のご提案。 つまり、動体視力は調節能力のトレーニングによって向上すること、そして、それは日頃スポーツをしていない人に顕著であるということである。
パイロットや白バイ隊員のように、直進してくるものを明視することになる人の動体視力は、一般人にくらべてよいといわれる。動体視力のいい人がこれらの職につくわけではないだろうから、日常の業務がいつのまにか動体視力のトレーニングになっているとみるのが妥当だろう。したがって、スポーツ選手の動体視力がいいのも、日頃、動くボールを追跡したり、明視したりすることをくり返すことが、おのずと動体視力のトレーニングになっているからではないかと思われる。ただ、この実験を通して、スポーツ選手の動体視力の向上がほとんどなかったことは、すでにある域にまで達している場合には、動体視力の向上は少ないことを示唆しているようである。

バッティングと動体視力

 動体視力(KVA)は直進してくる対象を明視する能力なので、ボールを打ったり、キャッチしたりする野球、テニス、卓球、バドミントンなどでは、動体視力のよしあしはパフォーマンスと関係が深いと考えられる。動体視力がよければ、いいパフォーマンスが得られるわけではないが、少なくとも動体視力がわるい場合には影響はあるだろう。なかでも、ピッチャーの投げたボールのコース、球種などをすばやく見きわめなければならない野球では、動体視力のよしあしは関係が深いと思われる。

 

度付きスポーツグラスには、競技や念れによって選ぶメガネ、サングラスがあります。

図9は、東京代表とし都市対抗野球にしばしば出場するT野球チームの選手が50回連続して動体視力を測定した結果である。監督・コーチの判断でAクラス(競技力にすぐれ、スターティングメンバーとして信頼されている)、Bクラス(交代要員の選手)、Cクラス(公式戦にまず出場する機会のない選手)にわけている。これによると、クラスによって静止視力にも違いがあるが、この差はほんのわずかで、静止したものを見る能力はほとんど差がないとみてよい。ところが、動体視力は明らかにA>B>Cの順にすぐれている。しかも、A>B>Cの順に測定値のバラツキが少ない。
つまり、動くものを見る能力は静止視力からは予測がつかないこと、また、競技力と関係がありそうである。この場合ではとくにCクラスの低下が極端である。Cクラスの選手のボールの見え方は、文字どおり「ボールがよく見ていない」状態で、Aクラスの選手とは明らかに違っていると思われる。バッティングや守備力がすべての動体視力のよしあしで決るわけではないが、ボールがよく見えるかどうかはかなりな影響を与えているであろう。
さて、動体視力はつねい一定値をとるのではなく、身体のコンディションなどに影響されて変動する。このため、打撃不振におちいったプロ野球のすぐれた選手のなかには「ボールが止まっているように見えた」とか「ボールの縫い目が見えた」という経験を語る人がいる。川上哲治さん、王卓治さんも現役のころ、そのような経験があったという。一流の卓球選手のなかには、高速でスピンするボールの商標マークが一瞬見えることがあるというのも同じような経験である。
実際に見えたのか、あるいは見ようと思っているいことが見えたように思う錯覚ということも考えられる。どちらにせよ高度に集中しているときらしく、調子のよいときに限られるようである。「今日はボールが速い」とか「ボールが走っている」とバッターがいうときには、実際にピッチャーの球が速いこともあるが、バッターの調子がわるくてボールがよく見えないときや、心理的に負けているときが多いようだ。ピッチャーの投げた時速140kmにもなるボールが止まっているように感じたり、縫い目が見えたりするのは、たんに動体視力がよいだけではなく、ボールの動きを滑らかに追随する眼球運動、強い足腰に支えられた頭部の安定、あるいは球趣やコースの読みの的中、集中力などのすべてが良好な状態にあるときではないかと考えられる。
動体視力とバッティングの成績を調べた研究がある。大学の野球選手を対象に動体視力のよしあしとバッティングの成績を比較したものである。これは練習時のバッティングの当たり具合を、よい当たり(クリーン当たり)と、わるい当たり(いわゆるボテボテ)にわけたもので、動体視力のよい群はクリーンな当たりが総打数の63%であったのに対し、わるい群は54%で有意な差があったという。ところが、試合のときの打率で比較すると、動体視力のよい群、わるい群の間には打率に差がなかったというのである。
試合では、たとえば走者を累上においたときのバッティングとか、配球の予測などさまざまなことが絡むので、打率と動体視力は関係がないことはむしろ当然といえるだろう。しかし、フリーバッティングのように、的確に当てることを主体としたバッティングでは、動体視力のよいほうがうまく打てるようである。ボールを明視する能力が高いことは、うまくバッティングできる基本的な能力の一つであるようだ。

スポーツ選手はDVAもよい

スポーツ選手は左右に動くものを明視する能力であるDVAもすぐれているようである。ルースらは、大学の野球選手18名と、非スポーツ選手25名のDVAを比較している。半円型のスクリーン上を視力値0.8に相当するランドルト環を移動させ、最高速度が100/secからスタートして、どのくらい速度が低下したときに、切れ目の方向が判別できるかというものである。その結果、非スポーツ選手が平均69.6+-・3/secであったのに対し、スポーツ選手は平均83・9+-18.8/secと、有意にスポーツ選手がすぐれていたというのである。度付きスポーツグラス選びは、競技や年齢、スポーツ環境にるサングラスの提案。 彼らはスポーツ選手のDVAがすぐれている理由について、素質的にスポーツ選手は能力が高い、あるいは練習をくり返すことによるトレーニング効果、という二つを考えているが、先のKVAのトレーニング効果からするとDVAも日頃のスポーツによる練習効果とみるのが妥当ではなかろうか。
先に、KVAの動体視力は速度が速いほど低下も大きい、としたが、DVAの視力も対象の速度が速いほど低下する。低下の度合について、メスリングらの実験によれば、静止視力が約1.3であれば視標が30/secで動くときには1.0になり、50/secでは0.8に、100/secでは0.6に低下するという。視力が低下する原因は、高速(60/sec以上)で視標が動くときには、対象の速度が速いため、網膜の視細胞レベルでの受容がうまくいかないことが視力低下のおもな理由で、低速(50/sec以下)では、追跡するときに対象が中心窩をはみだしてしまうという眼球運動の問題であるとしている。
以前、「スポーツ選手の眼」をとりあげたテレビ番組のなかで、スポーツ選手のDVAに関しておもしろい実験をおこなっていた。新幹線のホームに立ったアイスホッケー日本リーグのゴールキーパーの選手に、眼の前を通過する列車の窓にはられた文字が読めるか、といものであった。この人には、たんに窓に文字が一つ書かれていることだけ知らされ、何両目か、文字が何であるかなどはいっさい知らされていない。にもかかわらず、このキーパーは眼の前を時速200km(秒速55m)で動くものも難なく判読できるのである。文字の判読は網膜中心窩にとどめなければできない。文字らしきものが視野内に飛び込んできたら、ただちにそれに正確に眼が跳んで(saccadec movement)、スムーズな眼球運動(smooth pursuit movementおそらく、頭も一緒に動いている)で、文字を中心窩にとらえながら一瞬のうち判読する。このような選手は、中心窩から文字をはずさないように「眼球運動+頭」を動かすことが非常にすぐれているのではないかと考えられる