用途に合った子ども専用のメガネを選びましょう。
■子ども用スポーツグラス
サッカー、野球、ゴルフ、テニス、自転車、バスケットボール、バレーボール、剣道、スキー、スノーボード、スイミング、サーフィンなど、さまざまなスポーツに合った子供用スポーツグラスを選びましょう。
■ふだんの子供用メガネ
大人用のメガネを小さくしただけのフレームは、なるべく避けるようにした方良いです。
①.フレームの掛ける位置の目安として、眉と重なるか少しあくぐらい。
②.瞳とレンズの中心を合わせます。
③.フレームの幅は顔の幅に収まる。
④.顔の横から見たフロントの角度は10~12°が良い。
⑤.レンズの後面と目の距離は12~14ミリが良い。
「視力」=見るということは、脳が判断・認識しています。メガネは正しい見え方をサポートし、目の成長を助ける重要な医療用具なのです。
遠視:幼児期に多く、弱視の原因にも
遠視は「近くは見えにくくても、遠くはよく見える」と思われがちですが、ひどいと遠くのものでもボヤけて見え、近くのものはさらにボヤけて見えるのです。遠視は幼児期に多く、とくに眼球の奥行きが短い「軸性遠視」が多いため、年齢が上がると自然に治る子も少なくありません。しかし、遠視は弱視や斜視の原因になる可能性も、3最前後でも強い度数の遠視であるなら、まずはメガネをかけて、クリアな世界を脳に認識させましょう。
人間は左右両方の目を使って目標物を認識するのですが、片方の目が対象に向かわないことを斜視といいます。目の位置のズレ(斜位)を気にする人は多いのですが、それ以上に問題なのは、両目で物を見ることができなくなること。そのため、立体視や距離感をつかむこと、左右の目で見たものを融像させることができなくなることが問題です。遠視が原因で斜視になることも多く、早期の治療が必要になります。
弱視:メガネをかけても視力が出ない
弱視は視力が弱いことをいいますが、視力が悪くても、メガネをかけて0.1程度であれば、弱視ではありません。弱視とは、眼球や脳にトラブルがない(あってもひどくはない)のに、メガネをかけても視力が上がらない状態のことです。原因は、視力の発達する時期(0~8歳ごろ)に、遠視・斜視・乱視などのせいで、脳にボンヤリした画像しか送ることができず、「見る力」が育たなかったため。早期発見、早期治療が絶対に必要です。
網膜の手前でピントが合う近視は、近くは見えても遠くはぼやけて見えにくくなります。小学校1年生の1割、中学校の3割、高校生の5割が近視といわれ、遺伝によるものと、目によくない環境によるもの、相互作用で近視になるものがあります。必要に応じて弱い凹型レンズのメガネをかけ、眼に入る光のルートを変えるなどの矯正をします。残念ながら「近視が治る」ということはありませんので、近視にならないことが大事です。近視にならないための日常生活の習慣の1つとして、「目をリラックスさせ、近いところばかり見ない」ことが大事。本やテレビを長時間見続けない、テレビを見るときは2メートル以上離れる。外に出て遊ぶ、などを心掛けていただくことが近視の予防につながると思います。
乱視:物の輪郭がはっきり見えない
レンズの役割を果たす角膜は、本来きれいなドーム状になっているものなのですが、ゆがんでいたり、表面がでこぼこしていたりすると、網膜の正しい位置でピントを合わせることができなくなります。そのため、物の輪郭がにじんだり、いくつにもダブって見えるのです。遠視や近視と併発する場合はさらにボヤけて見えます。弱視の原因にもなるため、早期にメガネで矯正する必要があります。身長は10代半ばまで伸びますし、永久歯が生えてそろうのは中学生ごろです。しかし、目が成熟期を迎えるのはもっと早く、6~8歳にはほぼ完成してしまうという事実はあまりしられていません。逆にいえば、6歳以降、目の発達は限られてしまうということ。もしなんらかの原因で発達が滞っていても、その時期を過ぎてしまえば対策を打つことが難しくなってしまうのです。それは単に「視力が低い」「焦点が合いにくい」という問題ではなく、脳の「見る力」が育たないということなのです。
「目が悪い」というのは、物がハッキリ見えない状態のこと。では、なぜハッキリ見えないのかというと、ピントが合っていないからです。目から入ってきた光は、本来なら網膜でピントが合い、像を結びます。ところが、網膜より手前で像を結んだり(近視)、網膜の後ろで像を結ぶ(遠視)ことがあります。その場合、うまくピントが合いません。原因は2つあり、ひとつは眼球の大きさによる「軸性」のもの。眼球が小さいと遠視になり、大きいと近視になります。もうひとつは「屈折性」。レンズの役割をする角膜や水晶体の、光を屈折させる力が強すぎたり弱すぎたりすることで、網膜上でピントを合わせられなくなるのです。これを「屈折異常」または「屈折のバリエーション」と呼びます。