度付きスポーツグラス&メガネと目の保護グラス

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スポーツ バスケットボールと眼の怪我 Ⅰ

2015年3月28日 – 10:19 AM

日本ではスポーツ外傷と眼損傷の因果関係、スポーツにおける眼の防御、スポーツに必要な視機能、屈折矯正とスポーツの関係など詳しくまとめた本は少ない。スポーツ大国アメリカでは、スポーツを眼科学から分析しようとする試みはかなりの歴史があるようである。今回、記載させていただく参考文献はアメリカ発 SPORTS OPHTHALMOLOGY書(著者Bruce M.Zagelbaum)によるものです。

[バスケットボールと眼のケガ]

バスケット111バスケットボールはスピーディーな動きの競技であるにもかかわらず、防護用具は必要とされない。このことがスポーツ外傷発生の可能性を高め、米国においてバスケットボールが”眼損傷の最も頻度の高いスポーツ”となる原因になっているMassachusetts における調査では、スポーツによる眼損傷の28.7%がバスケットボールに関係していた。競技スポーツでは、とくにスピード、強さ、技術、スタミナが求められている。他の選手の指、手、肘の故意ではない接触、あるいは意図的な手挙によるパンチ、そしてボールの衝突そのものが眼球や眼窩に対する重篤な外傷の原因となる。不幸なことに、バスケットボールにおける防護用アイウェアの使用は重篤な眼損傷の発生をみた後に考慮されることが多い。防護用ゴーグルがすべての眼損傷を防ぐことができるというわけではないが、それを装用した選手のスポーツによる眼外傷の頻度は著しく低減される。たとえ規則で要求されてなくても、すべての競技レベルの選手に対し防護用アイウェアの使用を奨励しなければならない。

[バスケットボール関連の眼損傷の全体像]

名称未設定 1バスケットボールは、競技スポーツあるいはレクリエーションスポーツのなかで最も眼外傷の頻度が高いスポーツとみなされている。各シーズンに大学選手全体の10%が眼の外傷を受けているといわれる。米国失明防止協会(National Society Prevent Blindness :NSPB)による統計では、バスケットボールは、緊急外来を受診したスポーツやレクレーションによる眼外傷の主原因となっている。1992年、1993年にNAPBに報告された89、221例のスポーツに関連した眼損傷のうち16,825例(18.9%)が、競技またはレクリエーションバスケットボールに関係していた。年齢群別では、バスケットボールは15最〜24最、25歳~64歳における眼の損傷の主因となっている。5〜14歳では野球による損傷が最も多く、バスケットボールによるものがわずかな差で続いている。ただしこれらの数は損傷の数のみを表しており、発生率を示すものではない(たとえば、人気の高い野球の参加者100万人に対する16,825例の発生は、バスケットボールの参加者10万人に比べると発生率は著しく高くなる)

[National Basketball Trainers’ Association (NBTA)による眼損傷の調査]

バスケットボール22NBTAは、練習や試合を休む原因となったり、あるいは医師にかかったすべての損傷や疾病の統計を続けている。National Basketball Association (NBA)関連の1988~1992年シーズンにおけるすべてのスポーツ外傷の3.2%は眼に関係していた。

参考までに・・・うち眼の損傷割合

眼窩周囲裂傷=25%・眉毛部裂傷=20%・眼窩周囲打撲=15%・角膜擦過創=14%・眼瞼裂傷=14%・眼窩骨折=5%・角膜炎=3%・角膜裂傷=3%・虹彩炎=1%

NBAにおける眼損傷の比率は1,000AE(Athlete Exposures:損傷を受ける機会のある選手数、すなわち、1ゲームに出場した選手数が15名のときは15AEとなる)あたり1.4件である。この1.4/1,000AEというのは、本来バスケットボールの試合で多く発生するとされていた他の外傷の発生率とほぼ同じである。NBTAの調査報告は、眼窩周囲の裂創や打撲傷などの眼窩周囲の軟部組織の損傷も含んでいる。これらの約1/4は、最初に正しく診断され治療されなければ、永久的な機能不全に陥る可能性があるが、最近10年にわたるデータでは、長期の後遺症に陥った例は報告されていない。

Zagelbaumらがプロバスケットボール選手(NBA)を対象に17か月にわたり行った予測研究(プロスペクティブスタディ)では、全損傷の5.4%は眼に関係しており、これらの損傷のうち31%はリバウンドのプレー中に起きており、27%はオフェンスプレー中に起きていた。最も多い損傷は眼瞼の擦過創または裂創(51%)で、次いで眼瞼の打撲(浮腫および/または皮下出血)(29%)であり、受傷した選手の15%は試合を欠場している。NBAで発生した眼損傷の分布状況は、おそらく他のレベルのチームにおいても同じであると思われる。幸いなことに、バスケットボールにおける指やボールのスピードは野球やラケットボールのそれより遅い。そのため、たとえ眼窩周囲組織を犠牲にしても、眼球そのものを損傷から守ろうとする身体の反射運動が可能となるのである。

[受傷機転]

バスケットボール11バスケットボールでは、ドリブルを除いて、その運動技術の多くは腰部以上の高さで行われている。シュートやリバウンドプレーは選手の頭上で行われる。ディフェンダーがボールに向かって伸ばした手と、ゲームで動きまわる選手たちとの三次元な空間の位置関係が、顔、頭、眼との不注意な接触の原因となり、それらはすべて避けられないものである。NBAにおいては、センタープレーヤーが最も眼の損傷を受けやすく1.94/1,000AE(Athlete Exposures)であり、次にガードが1.41/1.000AE、フォワードが1.30/1,000AEとなっている。この統計上の差は、ゴールに近いというセンタープレーヤー本来のポジションによるものかもしれない。コート内で、センターの選手は最も激しい動きの中心にその身を置くことになる。実際に、選手の動きとパスまわしのほとんどはオフェンシブセンターの周囲で行われている。コートのオフェンシブ・エンドでも、ディフェンシブ・エンドでも、センターの選手はリバウンドでも、シュートやブロックショットでも常に”戦う”ことが期待されている。

・突出し損傷のメカニズム・・・

競技スポーツでもレクレーションスポーツでも、眼の損傷のほとんどは眼球に対する”突出し”打撲の結果生じている。しかし、普通のゲームの進展では、眼球自体が突出し型の損傷にあう危険性はほとんどない。バスケットボールのボールは、通常、皮革でつくられているが、屋外用あるいは多目的用ボールの場合はナイロンで表面がカバーされており、重さ567g(20~22オンス)である。ボールは大きく<全周は、男性用は76.2cm(30インチ)、女性用は72.39cm(28.5インチ)>、しかも比較的硬いため、ボールが眼窩内に入ったり、眼球を直接打撲したりすることは少ない。したがって、ボールによる損傷は、眼窩縁を超えて眼付属器に影響を与えることになる。NABの選手に生じた損傷の10年にわたる分析では、ボールの直接打撲による眼球損傷はなかったが、ただ1例、ボールによる眼窩周囲の損傷が報告されている。

鈍力による外傷・・・

バスケットボールのゲーム中の損傷のほとんどは、相手選手の指や肘の接触により生じており、多くはリバウンドプレー中に生じている。

<参照>バスケットボールにおける眼損傷の要因

Ⅰ.指 21人 35.6%  Ⅱ.肘 17人 28.8%  Ⅲ.衝突 8人 13.6%  Ⅳ.不明の接触 6人 10.1%  Ⅴ.手 2人 3.4%  Ⅵ.パンチ 1人 1.7%  Ⅶ.前腕 1人 1.7%  Ⅷ.ボール 1人 1.7%  Ⅸ。不明 1人 1.7% Ⅹ。その他 1人 1.7%

多くはリバウンドプレー中に生じている。

<参照>バスケットボールにおける眼損傷の受傷どきの動作

Ⅰ.リバウンド(オフェンス/ディフェンス) 18人 30.5%  Ⅱ.オフェンス(一般) 16人 27.1%  Ⅲ.ディフェンス(一般) 11人18.6%  Ⅳ.不明 6人 10.2%  Ⅳ.ルーズボール 5人 8.5%  Ⅵ.攻守交代時 1人 1.7% Ⅶ.ボール奪取 1人 1.7%  Ⅷ.そのた 1人 1.7%

典型的な例として、リバウンドボールに対して、2名以上の選手が腕や指を伸ばしてとびつこうとする場合がある。リバウンドプレーでボールをとった選手は、週刊的に肘を振り回してスペースを確保し、守備側の選手を遠ざけようとし、一方、相手側の選手はボールを奪おうとする。肘や手拳の直接的な打撃は眼窩骨折の原因となりうる。オフェンシブ・エンドでは、守備側はボールを奪うために手で掃きとろうとし、ボールがシュートされるときには、それを手でブロックしようとする。ガードに生じる多くの損傷は、ゴールに突進する際に、指を広げてシュートを阻止しようとする背の高い選手に近づいたときに起きる場合が多い。ボールを奪ったり、シュートを阻止したり、リバウンドをとろうとしたりするときには、指や手はあらゆる方向に向かって伸ばされる。ときには、オフェンスの選手がディフェンダーを払いのける目的で、片方の腕を振ることもある。

[予防]

名称未設定 2

Chow らは、バスケットボール中に指で右眼を突かれたことによrい、視神経が切断され、光覚の喪失をきたした18歳の症例を報告している。Parkらは、片眼を突かれ失明(光覚も喪失)した29最男性を報告している。バスケットボール関連の眼損傷によって悲惨なまねく危険性と可能性があるにもかかわらず、有力な関係団体のいずれも、選手のための防護用アイウェアの使用に関する指令、あるいは明確な報告は出していない。NCAA 1994~1995 Sports Medicine Hand Book は、片眼の選手はアイプロテクターをすべきであると述べている。バスケットボールにおける、その他の眼の保護に関するNCAAの勧告(とくに強い指令ではないが)を下部に示す。

Ⅰ.運動中、矯正レンズ(コンタクトレンズを含む)を装着するコンタクトスポーツ(男女のバスケットボールを含む)に参加するすべての選手は、(眼の保護に関する規定の)AからDに適合するアイプロテクターを使用すべきである。

Ⅱ.矯正用、非矯正用を問わず、外装レンズ(コンタクトレンズ以外)を眼の防護用として使用するときは、材質はポリカーボネートまたはCR-39としなければならない。

Ⅲ.コンタクトスポーツに参加するすべたの片眼の選手(悪いほうの矯正視力が0.25以下)は規定AからDのアイプロテクターを使用するべきである。

他のチームスポーツのほとんどは、眼を保護する補助的な方法を有している。フットボールやアイスホッケーの選手はヘルメットやマスクで眼を保護しており、野球のリトルリーグの子どもたちも同様である。さらに上級の野球選手もバッテイングヘルメットによって安全が図られており、それによって多くの危険性を防いでいる。よくある話であるが、バスケットボールにおけるアイウェアの使用の多くは、事故後の反省の結果によるものである。ほとんどの選手は、重大な損傷の後でゴーグルを装着しはじめるが、いつもそうとはかぎらない。1993年のシーズン中、あるプロバスケットボール選手は、2か月以上にわたって重大な眼の損傷を4回も受けたが、一度もゴーグルをしなかった。また、他の選手も治療中はゴーグルを使用するが、治癒すると装着をやめてしまっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[防護用具使用に関する規定]

名称未設定 1野球、フットボール、アイスホッケーなどの人気のあるチームスポーツのなかでは、バスケットボール選手が最もスポーツ外傷を受ける可能性が高い。バスケットボールではゲームの規則に関しても、ユニフォームに関しても、いかなるタイプの防護用具の着用も規定されていない(所属リーグによっては防護用マウスピースの規定があるときもある)。しかし一方では、選手がとても着用できないような防護用装具を規定している。特別な装具の使用を管理するNational Collegiate Athletic Association  (NCAA)の規則はこの種の規約の原型であろう。

石膏、金属および他の柔軟でない材料でつくられた肘、手、指、あるいは前腕のガード、ギブスあるいは副子は禁止。柔軟なプラスチックは防護用カバーとして使用してもよい。材質の硬さに関係なく、他の選手に傷や損傷を与える可能性のあるものは禁止。この規則は、多くのアスレチックトレーナーやチームドクターにとっては頭を悩ます種になるものであるが、この目的は、選手にとって、現役以上に腕や手が武器と化するのを防ごうとするものである。