スポーツに欠かせない視機能トレーニング №2
スポーツに必要な見る能力の種類
=スポーツビジョン
視機能を鍛えることで、スポーツ競技の技術が向上することが様々な研究によって確証され始めています。すなわち、スポーツ競技向上は「技術力+筋力+心の力+目」と思われる。
①静止視力:
止まっているものを見きわめる能力。スポーツに必要な見る能力の基礎。この静止視力を低下させる近視、遠視、乱視など異常が明らかになったときは、すみやかにレンズによる矯正をすることが大切です。また、左右両眼の視力差が大きいときも、矯正して視力差をなかさなければなりません。
②動体視力:
眼の前に近づいてくるものや眼の前を横切るものをしっかり見る能力。
③眼球運動:
高速で動くものを目で追いかける能力。
④深視力:
距離感や位置のちがいを正しく見きわめる能力。
⑤焦点調節/輻輳開散能力:
遠近を交互に見るときに、すばやく眼のピント合わせをする能力。
⑥眼と手・足の協調性:
見て得た情報により、手や足ですばやく反応する能力。
⑦周辺視力:
眼のはし(視野の周辺)に映るものをキャッチする能力。
⑧瞬間視:
一瞬見て多くのものを見きわめる能力。
⑨視覚化能力:
プレー、パフォーマンスを頭の中で想い描く能力。
⑩コントラスト感度:
わずかなコントラストのちがいを見分ける能力。
⑪光感度:
暗さやまぶしさの中で視力を発揮する能力。
⑫利き目と利き手・足の関係:
プレー、パフォーマンスに、有利不利が生まれる。
⑬視覚集中力:
あらゆる見る能力を最大限に発揮するための集中力。
以上がスポーツビジョンです。
ビジュアル トレーニングで能力が高められるスポーツビジョンの視機能は、次の通りです。
②動体視力/③眼球運動/④深視力/⑤焦点調節 輻輳開散能力/⑥眼と手・足の協調性/⑥周辺視力/⑦瞬間視/⑧視覚化能力<スポーツビジョントレーニングより>
眼(視機能)のトレーニング
□深視力のトレーニング
たとえば道で信号を見るときに、自分の立っている場所と信号までの距離が、どのぐらいあるのかを目測します。実際にはその距離が測れなくとも、いつもそういう意識で物を見ることにより、深視力が養われます。
<過去のデータによると、筋力トレーニングほどの即効性があるわけではないようです。始めて1週間や2週間で、すぐに深視力がよくなったりするこてはありません。>
・ストローにようじをつっこむ:
人にストローを持ってもらい、自分はようじを持ち、ようじをストローの穴につっこみます。自分でストローを持ってしまうと、腕を伸ばした感覚で、距離感がわかってしまうので、必ず人に頼みます。距離はいろいろに変えてやってみるとよいでしょう。
・転がしたボール目がけてキック:
サッカーのトレーニング
まず最初にパートナーにボールを前方に軽くけり出してもらい、もう一人が、そのボールに目がけて、別のボールをけって当てます。深視力が正確でないと、うまく当てることができません。最初はゆっくりとボールをけってもらい、徐々に速いボールを出してもらうようにします。
・投げ上げた石に石を当てる:
川原に遊びに行ったときに、周囲に人がいないのを確かめてから、行ってください。まず、にぎりこぶし程度の石を、前方斜め上に高く投げ上げます。そして、その石が落ちてしまう前に、もう一つの石をその石めがけて投げます。なかなかうまくいきませんが、これも深視力のトレーニングになります。石ではなく、2固のボールで行うこともできます。
・キャディに距離を聞かないでプレーする:
ゴルフのトレーニング
プレー中、すぐに距離をキャディーに聞かないで、自分自身で目測し、番手を選ぶようにします。距離の目測を正確にしなければ、その距離に必要な番手の選択が、不正確になるのは当然のことです。
・バスケットボールのゲームをする:
バスケットボールのトレーニング
バスケットボールは、深視力がものをいうスポーツです。ゴール下、ミドル、ロング、それぞれのシュートをするときのゴールまでの距離感の正確さが、そのまま成功率アップにつながります。また、パスをするときには、味方と自分との距離、ディフェンスと味方の距離などを正確に把握していないと、ミスをしかねません。バスケットボールのゲームを楽しみながら行うことにより、自然に深視力が鍛えられることになるでしょう。
・テニスで遊ぶ:
テニスで遊ぶことも、深視力トレーニングになります。適切なヒッティング ポイントを知るには、ボールと自分との距離を、正確にはからなければならないからです。また、相手のエンドラインいっぱいにボールを打ちこむためにも、深視力が欠かせません。
・バドミントンで遊ぶ:
バドミントンで遊ぶことも、深視力のトレーニングに効果的といえるでしょう。ラケットとシャトルコックまでの距離感が正確につかめないと、思い通りのストロークや強烈なスマッシュが打てないからです。
□焦点調節/輻輳・開散トレーニング
何でもかまいません。距離のちがう3つの点を決めて、次々に焦点を合わせていきます。たとえば、窓のサン、向かいの家の屋根のアンテナ、そしてさらに遠くに見えるお風呂屋の煙突、といったぐあいに目標を決め、順番に見て焦点を合わせます。各目標にしっかり焦点を合わせること。できるだけリズミカルにすばやく3ポイントを見ていくこと。そこに注意してトレーニングを行います。 <トレーニングは毎日欠かさず短時間のトレーニングをし続けることが大切です。なお眼は非常に疲れやすいので、長時間のトレーニングは逆効果となります。1日15分前後にとどめてください。>
このところはやっている3D画像を、特殊スコープなどを使わずに、裸眼で見る方法が裸眼立体視ですが、これを行うためには、視線を平行に保ったり、視線を交差させたりしなければならないので、輻輳 開散のうってつけのトレーニングになります。
野球のボールでもバレーボールでも、とにかくボールを高く投げ上げて、キャッチすることを繰り返します。正確なキャッチには、急激に接近するボールの位置を見きわめることが必要になるので、焦点調節 輻輳 開散 の機能が自然にトレーニングされます。
*例えば、各スポーツで焦点調節 輻輳 開散が必要な場面:
Ⅰ.野球=打撃/ゴロ、フライ捕球/捕球して送球するとき
Ⅱ.サッカー=ゴールキーピング/パス/シュート/センタリング/トラッピング /バックスのクリアー
Ⅲ.バスケットボール=ディフェンスをかわしてのパス/パス キャッチ/シュート/インターセプト
Ⅳ.バレーボール=サーブ レシーブ/スパイク レシーブ/スパイク/トス アップ
Ⅴ.テニス=サーブ レシーブ/グランド ストローク/ボレー/スマッシュ
ビジュアル コラム
■一着はどの馬か?
右の眼で右の図だけを、左の眼で左の図だけを見ると、左・中央・右の眼に見える。1,5倍から2倍に拡大コピーするとよくわかる。
■どっちのヘビが長いか?
どちらも同じ