ハイキング時など室外の紫外線から子供の目を守ろう。
紫外線は5月がいちばん強い?
日本は四季のはっきりした国です。紫外線Bの量は季節によって大きな違いがあり、特に夏と冬とでは差が大きくなります。紫外線AはB波ほどには季節による差は大きくありません。
日本では紫外線Bに注意をしなければいけないのは、春のお彼岸から秋のお彼岸の間のだいたい4月から9月までと考えてよいでしょう。かつて紫外線のピークは5月といわれたことがありましたが、それはA波のことで、B波ではないことがわかりました。地域やその年の気象条件によっても多少の違いはありますが、だいたい7、8月を中心とした2か月間くらいが最も紫外線B量が多い時期となっています。 ただし、5月に急に紫外線A・B量がともに増える月ですから、そういった意味では注意が必要かもしれません。湿度が低く快適に過ごせるため、戸外で過ごす機会が増える一方で、まだ紫外線に対する準備が整わないことが考えられます。紫外線の対する注意が最も必要とされる月である、ともいえるでしょう。
●子供ほど紫外線の影響をたくさん受けている
オーストラリアで行なわれた疫学調査で、子供の頃に強い太陽紫外線を浴びる環境にいた人が、大人になって皮膚ガンになりやすいことが証明されました。
オーストラリアの白人は、イギリスなど年間の太陽紫外線が少ない所からの移民です。子供の頃に移民すれば、長年にわたり大量に紫外線を浴びることになるわけです。
オーストラリアで生まれた子供や10歳までに移民した人に皮膚ガンが多く発症することがわかったのです。 子供の皮膚は大人に比べて分裂する回数が多いのです。そのため、紫外線で遺伝子に傷をつけたまま遺伝子DNAを合成することが多くなり、遺伝子が元の通りに治らないで間違うことも多くなります。
これまでの多くの疫学調査では、年間の紫外線照射量が多い地域の住民や、屋外労働者に皮膚ガンが多いということの他に、同じ紫外線量でも子供の時に浴びるほど、紫外線の悪い影響が大きいということがわかっています。 一生に浴びる紫外線量のうち50%は、18歳ぐらいまでに浴びてしまうといわれています。 若々しく健康な皮膚を維持するためには、小児期から無駄な日焼けを避けることが重要です。 紫外線から赤ちゃん、子供達を守るのは、我々大人の責任だと思います。 大人の対応によって、子供達をシミ、腫瘍や老化、また皮膚がんから防ぐことができるのです。
眼のダメージ(とくに白内障)発症のリスクを高める