スポーツにおける光への対策と能力 スポーツサングラス編
炎天下のアウトドアスポーツに欠かせないアイテムにサングラスがある。サングラスは、ファッショングッズとしても広く愛用されているが、スポーツにおいては照明や太陽光の直接光、また水面、路面、砂、雪面の反射光による不快な眩しさ(グレア)を防ぎ、また有害な紫外線が眼内に侵入するのを防いで、視機能低下による競技パフォーマンスの低下を防ぐ有効なスポーツグッズの1つである。
また、登山者やスキーヤー、ヨットセーラー、ライフガードのような多くのアスリートは、強い風やほこりなどの悪コンディションに加え、衝撃による損傷の可能性のある状況で大量の紫外線を浴びている。紫外線角膜炎、風による損傷、角膜異物や粉々に砕かれた眼鏡の破片による外傷の原因は、よく見えないことが多く、眼だけでなく生命も危険にさらす可能性がある。他の種目のアスリートは、慢性の紫外線曝露の長期的な影響が心配され、将来生じる可能性のある眼の問題を適切なサングラスで予防することが望まれる。濃い色のサングラスを使用すると非常に明るいところでも眼を細めずに快適によく見えるようになる。しかし、有害な紫外線や眼損傷は起こさない範囲の青色光の吸収が不十分な濃いサングラスを使用すると、眼を細めずに有害な光線を受けることになる。スキーヤーが、他の防護法(日焼け止めなど)を併用しない場合、ミラーサングラスからの反射が鼻にやけどを起こすことがあることを忠告すべきである。反射した紫外線にも注意が必要である。新雪は紫外線の80%以上を反射する。きれいな白い砂は約30%、水は5%、地面や草は5%未満の紫外線を反射する。したがって、最も紫外線が大きいのは、標高の高いところの新雪のフィールドである。
可視光線の波長は400~700nm(ナノメーター:1mの10億分の1)である。紫外線(UV)は波長によって3つのバンドに分けられている。バンドの分け方はさまざまである。ANSI(米国国家規格協会)の定義は、UVBを290~315nmの波長のもの、UVAを315nmの波長のものと述べている。他のものは紫外線のうちUVCは200~286nm、UVA1は320~340nm、UVA2は340~400nmと明確に記している。成層圏のオゾン層は約285nm以下の波長の紫外線を吸収する。角膜は295nm以下のものをほとんど吸収し、380nm以下のものは前眼部でほぼ完全に吸収される。成人では、34nm以下の紫外線の1%未満、340~360nmの2%が網膜にまで達する。有水晶体の場合、400nmの光の10%が網膜に達する。有水晶体眼の人では400~1、400nmの光が網膜に達する。正常な有水晶体眼の成人では、365nmの近紫外線の25%が角膜で、11%が前房水で、64%が水晶体で吸収され、網膜に達するのは1%未満である。
早期の白内障手術が一般的になるにつれて、網膜に対する紫外線の影響が無視できなくなっている。水晶体(レンズ)を除去すると網膜は約300nmを超える波長の紫外線にさらされる。波長325~350nmの紫外線は、441nmの短波長の可視光線の約6倍も網膜を損傷しやすい。とくに特殊な処理をされていないポリメチルメタクリレート性の眼内レンズは、ほぼ300nm~320nmの波長の紫外線のみを吸収する。”紫外線吸収(保護)”として分類されている眼内レンズの多くは、紫外線を十分防護しているとはいえないことに加え、どのくらいの期間紫外線吸収眼内レンズの紫外線フイルターが作用し続けるのかもわからないので、無水晶体眼と偽水晶体眼のすべてのアスリートには470~500nmの光を99%吸収するようなサングラスを装用させるのが望ましい。
急性あるいは慢性の紫外線曝露はさまざまな眼疾患となる。翼状片や核白内障はUVAとUVBの広い幅の紫外線の曝露に関連している。一方、ほとんどの光角膜炎、日焼けや皮質または後嚢下白内障は、波長の短い紫外線(”紅斑”を生じるUVB)が原因である。ガラスの眼鏡レンズの紫外線吸収能は330nmで30%に低下するにもかかわらず、核硬化性白内障は、正規のものよりも眼鏡装用者のほうが低率である。白人では、UVB曝露の累積が基底細胞がんや扁平上皮がんの原因になる。一方、日焼けを起こすような小児期の強い紫外線曝露は、皮膚の悪性黒色腫に大きな関連がある。日光が眼の黒色腫に与える影響は不明である。400~470nmの短波長光が網膜に対して光毒性をもっていると考えているものもいる。紫外線の曝露と加齢黄斑変性症に正の相関はないが、青色光や可視光線への強い曝露は、その進行に関連があるかもしれない。比較的短時間でも空の高い位置にあるときに太陽を見ると、強い可視光線の短波長部分(青色光)と紫外線の曝露による光科学障害で日光網膜炎が起こることがある。多くの臨床家は単純ヘルペス角膜炎がUVBの曝露によって発症・悪化するという印象をもっている。
紫外線を最大限にカットしたいアスリートは、つばつきの帽子をかぶり(眼の曝露を半減)、日焼けしそうな状況では、UVAとUVBの両方を吸収するサングラスを隙間をあけないように装用する必要がある。UVBの量は夏の午前10時から午後2時の間が最大である。小売店の棚からサングラスを選ぶのも1つの問題である。安価なクリップオン(眼鏡にはさんで取り付ける)型のサングラスでも十分に紫外線をカットするものもあるし、カットが不十分なサングラスもある。”ASNI(米国国家規格協会)の美容用具が有する紫外線条件に適合”というラベルのついたサングラスは、303nmくらいの紫外線を1%にカットする。一方、”400nmまでの紫外線カット”というラベルが貼られたものは348nmの波長の光を1%にカットする。紫外線の網膜に与える損傷は累積し、小児の水晶体は成人より多くの可視光の短波長部分と紫外線を網膜まで通過させる。子どもは屋外で遊ぶことが多いので小児用サングラスとしては”400nmまでの紫外線カット”でも危険である。
濃い色のついた眼鏡についても、レンズが人の眼では見ることのできない近赤外線(700~800nm)と近紫外線(300~400nm)の効果的なフィルターとして機能しているかかどうかについてはわからない。価格、色、レンズの組成は透過性の指標としてはあまり信頼できない。ガラスの53%とプラスチックレンズの11%は、近紫外線の透過率が25%以上であり好ましくない。日光の赤外線の80%は網膜まで透過している。日光に含まれている赤外線それ自体は有害ではないが、紫外線や短波長光による損傷を促進するという意見もあるし、眼の不快感につながるかもしれない。赤外線は有用な視覚情報を含んではいないので、透過させないほうが賢明であろう。紫外線吸収能はレンズの材質によってまったく異なっている。
スポーツ用に売られているサングラスのほとんどは、衝撃に対する耐久性が不十分である。スポーツサングラスは光障害よりもむしろ衝撃を防ぐべきである。レンズとフレームの組み合わせはボールなど飛来物やサングラスレンズ自体の眼への接触を防ぐ必要がある。メーカーは競技団体にサングラスの意義について知らせるべきである。ラケットスポーツ用サングラスはASTM(米国試験材料協会)F803の衝撃に関する条件(レクリエーションの全目的用にデザインされたサングラスは、ソフトボールで破損されてはならないし、予想しうるスポーツの衝撃でレンズがはずれても眼に当たらないようになっていなければならない)に適合していなければならない。実際の状況下でレンズとフレームが一体となったかたちでテストされたスポーツサングラスの耐衝撃性の規格が必要である。
メーカーは、スポーツ用に売られるすべてのサングラスについて、使用者にわかりやすい説明書で、下記の情報を提供することが重要である。
1).レンズを透過する可視光線の割合
2).レンズを透過する紫外線と規定されている波長の赤外線の割合
3).グレア(眩しさ)を軽減するために追加された処理やコーティング(たとえば偏光)
4).そのサングラスが満たしている規格、そのサングラスがすすめられないようなスポーツと、同様のそのサングラスが十分な耐衝撃性を有するスポーツ。
■理想的なサングラスは下記の条件を満たしているべきである。
1).UVB(280~315nm)の透過率は5%未満で、300nm未満の波長のUVBに対しては透過率1%未満。
2).UVA(315~400nm)の透過率は10%未満で、最大可視光線透過率よりも十分に小さいこと、無水晶体眼では透過率1%未満。
3).青色光(400~500nm)の透過率は10%未満で、最大可視光線透過率よりも十分に小さいこと、可視光線透過率の25~50%の青色透過率が望ましい。
4).可視光線の長波長部分の(500~760nm)の透過率は、周囲が砂や雪のような明るい状況下で15%未満。
5).760nmを超える赤外線は遮るのが望ましいが、必ずしも必要ではない。
6).交通信号を識別するのに十分な色の判別ができる。
7).非常に明るい状況下では、斜め方向からの光を防ぐためのサイドシールドや眼鏡フレームの上にリム(縁)をつけたりつばつきの帽子との併用。
8).釣りをする人やボートの選手が水面からのグレアを防ぐための偏光レンズのオプション。
9).サイクリング、ヨット、登山、スキーのようなスピードが速いスポーツや強い風にあたるスポーツにおいて、乾燥を最小限にするような空気力学な効果。
10).軽量である、思いサングラスは頭のすばやい動きではずれやすい。
11).外見的に許容されること。
12).耐衝撃性にすぐれていること。
■正しいサングラスの装着方法
一眼レンズ、二眼レンズのサングラス共通です。ゴルフからボールスポーツ、ランニング、ウォーキング、フィッシング、自転車まで
・帽子、ヘルメット、サンバイザー等、使用時に装着するものがあれば一緒にご試着ください。
・使用時を想定した体勢、視線になってご試着ください。
・頭を軽く前後左右に振ってみて、ズレないかご確認ください。
・歯をくいしばって、側頭部の締め付けをご確認ください。
・笑顔をつくって、頬とグラスが当たらないかご確認ください。
1).鼻にフィットしていますか?
フィットしていない場合、使用中にズレたり、風の巻き込みや紫外線が侵入する恐れがあります。
2).レンズの上下左右のバランスはとれていますか?
バランスが会っていない場合、視界の歪みが発生する可能性があります。
3).頬とグラスの隙間は適正ですか?
頬とグラスが当たっている場合、使用中にズレる可能性があります。逆に隙間が大きすぎる場合、風の巻き込みや紫外線が侵入する恐れがあります。下方部の視界が狭くなる可能性があります。
4).レンズとまつ毛が当たっていませんか?
当たっている場合、かけ続けているとストレスの原因になります。
5).側頭部にフィットしていますか?
フレーム部の締め付けがきつい場合、かけ続けていると痛みやストレスの原因になります。逆に締め付けがゆるい場合、使用中にズレる可能性があります。
■参考までに・・・・・
逆に、暗さの中で視力を発揮する能力(光感度)
■ASTM(米国試験材料協会)F803について この仕様は最小限に抑えたり、かなりラケットスポーツラケットとボールがインパクトと浸透に起因する眼と付属器への傷害を低減することラケットスポーツの選手が使用するために設計されたアイプロテクター、女子ラクロス、フィールドホッケー、バスケットボール、野球、サッカーをカバー、女子ラクロス、フィールドホッケーのスティックとボール、野球、サッカーボール、手、ひじ、指。 保護メガネは、目の保護を提供しており、頭部の他の部分を保護するものではありません。 1ユニットとして成形レンズまたはレンズとプロテクターとフレームタイプI:プロテクターは、以下のように彼らの設計特性に応じて4つのタイプに分けられます。 タイプII -別個のユニットとして製造されたフレームにマウントどちら平や処方単一レンズ又はレンズとプロテクター、;貼付するなどのストラップとしてフレーム寺院やその他のデバイスは、レンズは別の部分であるかもしれません;タイプIII -レンズなしプロテクター、およびタイプIV -完全または部分的な顔面シールド。 と、このような高い速度、耐衝撃性などの機械的なテストは、材料は、このような視野、光学的品質、視感透過率、プリズム偏差測定、ヘイズ、屈折力測定、表面欠陥と内部欠陥、および代替光学テストなどの光学テストを使用して試験しなければならないと発射シミュレータ試験。 さらに、個々の成績は一般に準拠し、性能要件とする。
この抽象は、参照標準の概要です。 それだけでなく、標準の公式な一部の情報であり、規格そのものの全文は、その使用状況やアプリケーションのために参照する必要があります。 ASTMは一切の保証を与える明示または黙示またはこの抽象の内容はこれまでの正確性、完全性、または起動されていることをいかなる表明も行うことはありません。1。 スコープ
1.1本仕様書は、最小限に抑えたり、かなりラケットスポーツラケットによってインパクトと浸透による眼及び付属器への損傷を低減しているラケットスポーツの選手が使用するために設計されたアイプロテクター、女子ラクロス、フィールドホッケー、バスケットボール、野球、サッカーをカバーボール、女子ラクロス、フィールドホッケーのスティックとボール、野球、サッカーボール、手、ひじ、指。 保護メガネは、目の保護を提供しており、頭部の他の部分を保護するものではありません。1.2プロテクターが、デザインの特性に応じて3つのタイプに分けられます。
1.3本仕様書は、矯正レンズの装用によって、また、処方眼鏡を必要としないそれらのプレーヤーで使用するために、アイプロテクターに適用されます。 (眼鏡、保護メガネの下に着用している場合は警告ポリカーボネート眼鏡レンズを使用する必要があります。)
1.4は、この規格では、言葉の使用は、 “SHALL”、または必須の要件を示す”必要があります。言葉は勧告を示し、 “べきである”。
1.5 プロテクターは標準の(該当する場合)、一般機械、および光学的要件を満たすことができないときは、その製品の1.5障害が発生します。
1.6の値は、標準とみなされる。 括弧内に与えられた値は単なる情報として提供されています。 この仕様での測定のメートル法の単位は、国際単位系(SI)に準拠しています。 この仕様で規定されている測定の値が他の単位で同等の値が続いている場合、最初に述べた要件とみなされるべきである。 与えられたと同等の値が近似かもしれません。
1.7 以下の予防の注意点は、この仕様書の試験方法の部分は、セクション9月11日、にのみ関係:この規格は、その使用に関連する安全上の懸念がある場合は、すべてに対処することを意味しない。 これは、適切な安全衛生慣行を確立し、使用前に規制上の制限の適用性を判断するために、この規格の使用者の責任です。
網膜の細胞で能力が決まる・・・・・
光感度は、暗い中で、ものをしっかり見る能力が含まれるので、コントラスト感度と似た能力といえます。薄暗い中で、野球やサッカーの試合をするとき、ボールや選手の動きを正確に追うために必要な能力は、光感度であり、コントラスト感度です。しかし光感度のほうには、暗い中で微妙な明るさや色のちがいを判別する能力だけでなく、明るすぎる背景の中で、ものを正確に見分ける能力や、まぶしいものを見たあとで、ものを正確に見る能力も含まれます。たとえばバレーボールで、体育館の強烈な照明が入った直後に、ボールを見なければならないとき、まぶしさからの回復力が弱いと、ボールを正しく見れず、レシーブやスパイクがうまく行えないことがあるのです。
光感度は、網膜の細胞の性質によって、その能力が決まります。カメラのフイルムには、光が弱いときでもはっきり映る高感度フィイルムや、光が強いときでもハレーションを起こさない低感度フィルムがありますが、人の目の網膜は、高感度から低感度まで、あらゆる光に感応できるフィルムが用意されていると考えることができます。そして、弱い光に感じる網膜細胞の感度の高さ、一度強い光によって興奮し映像情報を脳に送った細胞がふつうの状態に戻るまでの時間、これらは、人によってちがうことが知られています。この能力は先天的なもので、トレーニングによって高めることはできません。ただし、ビタミンAが欠乏すると夜盲症となり、暗い中での静止視力が低くなるので、レバー、ニンジン、黄緑色野菜、乳製品を十分にとることにより、この能力を正常に保つようにすることが大切です。
光暗さの中で視力を発揮する能力は、一般的にはあまり重要とはいえません。ある特別な場合、たとえば照明設備の不十分なグラウンドで、薄暮や夜間に野球、サッカー、ラグビーなどの試合をするときに必要とされるだけです。一方、まぶしさからの回復力は、屋外屋内の競技で、照明が視野に入る競技、屋外のボール・スポーツで、ボールが空高く上がる野球、サッカー、ラグビーなど必要とされる場合があります。また、テレビ中継のライトやカメラのフラッシュがあるときも、まぶしさからの回復力が必要とされる場合があります。
■たとえば、各スポーツで、光感度が必要とされる場面として・・・・・・
■サッカー
Ⅰ.照明設備が不十分な薄暮ゲームでの各種プレー。 Ⅱ.晴天どきにスタンドの影から日向にボールが出た瞬間のパス、シュート、トラップ。 Ⅲ.晴天どきに太陽が視野に入った直後のヘディング。
■テニス
Ⅰ.照明設備が不十分な薄暮ゲームでの各種プレー。 Ⅱ.晴天どきにスタンドの影から日向にボールが出た瞬間のストローク。 Ⅲ.晴天どきに太陽や青空が視野に入った直後のサービス、スマッシュ。
■野球
Ⅰ.照明設備が不十分な薄暮ゲームでの各種プレー。 Ⅱ.晴天どきにスタンドの影から日向にボールが出た瞬間のゴロ、フライのキャッチ。 Ⅲ.晴天どきに太陽や青空が視野に入った直後のフライのキャッチ。
■バスケットボール
Ⅰ.照明設備が不十分な体育館でのシュート、パス・キャッチ。 Ⅱ.照明が視野に入った直後のリバウンド。 Ⅲ.テレビ中継のライトが視野に入った直後の各種プレー。
■カーレース
Ⅰ.薄暮の中での障害物の回避 Ⅱ.晴天どきにスタンドの影から日向に出た瞬間の走行。 Ⅲ.晴天どきにスタンドの影から日向に入った瞬間の走行。