度付きスポーツグラス&メガネと目の保護グラス

例えば、サバイバルゲーム時の保護メガネや、サッカー・バスケットボール・ラクロス・アメリカンフットボール時等の度付きゴーグル、学校・クラブチームのスポーツによる眼損傷の予防としての保護用度入りグラスをご提案。

スポーツ用グラスと視力と視機能について

子供から大人までの野球、ゴルフ、スキー、オートバイ、サーフィン等のスポーツ競技は、運動能力だけでなく、目の能力も大変重要と言われています。この様な競技に合ったスポーツグラス選びも大切です。

スポーツグラス度入りの選び方

スポーツの競技(種目)をされる方が全員「目が良い」とは限りません。スポーツ競技時のメガネのフレームやレンズ、サングラスの度付き選びは、競技におけるパフォーマンスの成果が違ってくることご存知ですか。

スポーツゴーグル、サングラス、メガネ等取扱品

スポーツ競技に合ったサングラス、ゴーグル、保護グラスや、普段眼鏡を掛けておられる方に合ったメガネ、度付きサングラス、度入りゴーグル等、様々な競技用途に合った、フレームやレンズ、カラー特性選びをご提案。

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スキーと視機能の関係 見る&保護(雪眼)

2013年1月18日 – 12:15 PM

スキーどきの「見る」が重要

■スキーでコントラスト感度が必要な場面のこと・・・

Ⅰ.斜面のアップダウンを見分けるとき

Ⅱ.コブの大きさを見分けるとき

Ⅲ.霧の中での雪面の状況把握

Ⅳ.吹雪の中での雪面の状況把握

度つきゴーグルスキー用は装用感が快適なゴーグルを選ぶこと。 スキーでは「コントラスト感度」が視覚情報を得るための基礎的な力にないます。晴天の朝夕は、斜光線によって雪面の凹凸がわかりますが、日中、霧中、降雪中は影ができないので、凹と凸のほんのわずかなコントラストの差により、雪面の状況を判断しなければなりません。この判断を適格するには、静止視力がよいほどコントラスト感度が高まるのです。つまり、眼鏡やコンタクトレンズを掛けている人にとっては、正確な矯正された視力がスキーの安全性を高めるのです。

■その他、スキーどきの視機能が必要

めがねを掛けている人のスキーどきの度付きゴーグルの情報発信基地。 スキーと目に関しては、①「動体視力」 ②「眼球運動」 ③「深視力」 ④「瞬間視」 ⑤「目と手・足の協調性」 ⑥「周辺視力」 ⑦「視覚化能力」 ⑧「視覚集中力」が、運動能力に合わせて欠かせない重要な視機能とされています。また、⑨「焦点調節/輻輳・解散」といった視機能も合わせて重要であり、これらのことをスポーツに必要とされる見る能力「スポーツビジョン」と称しています。すばらしいプレーはスポーツビジョンに支えられています。 <①~⑨下欄参照:スポーツビジョントレーニングより>

①.動体視力

動体視力とは、動いているものを正しく見極める能力です。自分と目標との関係を詳しく説明すると、次の3パターンあります。Ⅰ.自分が止まっていて目標が動いているとき Ⅱ.自分が動いて目標が止まっているとき Ⅲ.自分と目標が動いているとき いずれも、目には目標が動いているように見えます。もっとも、最後のケースは、自分と目標が同方向、同速度で動いていれば、目標は止まって見えます。また、動きの種類によっても、2種類に分けることができます。Ⅰ.目標が目に向かって直接的に近づいてくる動き Ⅱ.目標が目の前を横切る動き スポーツビジョンでは、この2種類の動きに対する眼の能力を、別々に測定しています。

<必要な場面>:

Ⅰ.雪面状態の把握 Ⅱ.コース取りの選択 Ⅲ.旗門通過のタイミングのキャッチ

「ボールが止まって見えた」のお話:

障害打率.313、首位打者5回。監督としては、王、長嶋をひきいて史上空前の9連覇をなしとげた川上哲治は、選手時代、「打率の神様」とまでいわれ、戦前戦後の野球ファンに大きな夢を与え続けました。その神様が、あるとき言いました。「ボールが止まって見えた」。止まっているボールを打つのは、神様ではない私たちでもできそうです。神様たるゆえんは、ボールを止めたことでしょう。もちろんそれはたとえで、ボールが止まっているようによく見えたということだと思いますが、ボールを止めたのは彼の眼で、その眼はスポーツビジョンのうちでも、動体視力だったということができます。

②.眼球運動

眼球運動とは、視線を目標に向ける速さと正確さの能力です。難しい説明はさけますが、視線の方向がサッと動いたり、パッと変わったりするのは、人間が眼の中心で目標をとらえようとするためです。人の目は、中心だけでなくそのまわりでもものをとらえて見ることができます。たとえば部屋の時計を見ると、時計だけだなく、その隣の絵やポスターも眼に入ります。しかし人の目の仕組みは、眼の中心に入るものの色や形がよく見えるようになっていて、そのまわりのものの色や形は、あまりよく見えていないのです。だから眼は、常にめまぐるしく動き、目標を眼の中心に入れて、形や色をはっきり見ようとするのです。なお、眼球運動は、「追従運動」と「跳躍運動」の2種類に分けられます。「追従運動」とは、眼の中心でものをとらえたまま、ものの動きに合わせて眼球を動かす運動です。卓球やテニスなどで、ボールを眼で追い続けるときの運動です。「跳躍運動」とは、いくつもの目標に、パッパッと視線を飛ばしていく動きです。サッカーのゴールキーパーが、味方のバックスの動き、敵のフォワードの動き、ボールの動きなどを、一瞬のうちに見極めるためには、「跳躍運動」が必要になります。

<必要な場面>:

Ⅰ.雪面状態の把握 Ⅱ.コース取りの選択 Ⅲ.旗門通過のタイミングのキャッチ

「1分間に162回のラリーを追う眼」のお話:

ある記録によれば、卓球のラリーの世界記録は、1分間に162回とか。1秒たらずでボールが行って帰ってきてしまうわけです。ということは、0.4秒に1回の割合でストロークをくり返すことになります。大変な忙しさです。まず、相手のストロークを見て、くり出されるボールの角度、コース、球質を判断し、実際に飛んでくるボールを目で追い、自分のストロークの方法を決め、ボールをたたき、自分の打球の方向を目で追うーーーーこのように多くのことを、ほんの一瞬のうちに行い、それを何回もくりかえさなければならないのです。天才卓球少女「愛ちゃん」のプレーぶりをみてもわかるように、少女の真剣な瞳は、はげしくすばやくボールを追い続けます。卓球ではさまざまな角度、コースに高速で動くボールを、常に眼で追跡しなければなりません。この目標を追跡する眼の動きを、眼球運動といいます。

③.深視力

めがねを掛けている人のスキーどきの度入りゴーグルの情報発信基地。 深視力とは、距離や距離の差を感じる能力です。鉛筆を両手に持ち、両目で見ながらその先を図のように空中で合わせてみてください。ひじは伸ばしきらないように。難しいけれど、なんとか合わせることができます。

では今度は、片目でそれをやってみてください。なかなか合わせられないはずです。このことから、人は両目を使うことによって、眼から2本のエンピツの先までの距離や2本のエンピツの位置関係をたしかめていることがわかります。ではなぜ両目を使うと、距離や位置関係が正確にわかるでしょうか。それは、右目に見える映像と左目に見える映像が、わずかにちがうからです。寝転んで、自分の右足のつま先を見て下さい。左目を閉じて右目だけでつま先を見て下さい。次に左目だけで見て下さい。右目と左目では、少しちがった像が見えます。私たちはこの違った像を、猛の中で1つにまとめることにより、立体的な、つまり距離感や位置関係がわかりやすい像を見ることができるのです。

では、両目を使うことによってなりたつ深視力が不十分だと、距離感や位置関係はまったくわからないのでしょうか。そんなことはありません。私たちは経験や知識によって、距離感や位置関係を知ることができるからです。しかしそれは「ほぼ」であって、十分正確に見極めることはできないということでもあります。場合によっては、経験や知識にじゃまされて、まちがって判断してしまうこともあります。

ちょっと話はそれますが、立体写真は、この原理を利用したものです。左右の目でそれぞれ見たような少し写り方のちがう写真を2枚用意して、1枚を右目だけ、もう1枚を左目だけで見るようにし、あたかも奥行のある写真であるかのように錯覚する仕組みになっています。

<必要な場面>:

Ⅰ.雪面状況の把握 Ⅱ.エッジング Ⅲ.ターンのタイミングのキャッチ

「タクシードライバーと深視力」のお話:

自動車の運転で事故を起こさないためには、人や物をさけるハンドルさばきやブレーキをかけるタイミングに十分注意しなければなりません。そしてハンドルさばきやブレーキのタイミングは、人や物と自分の距離を正しく見きわめることによって、正確さが生まれます。つまりドライバーには、距離感や位置関係をしっかり見極める眼=深視力が必要だということです。これは自動車にかぎったことではなく、オートバイや自転車でも同じです。社員数1,500名のあるタクシー会社で、何回も事故を起こしたことのあるタクシー乗務員40名に、深視力の検査を行いました。すると40名中25名(62.5%)に異常が認められました。これは、驚くべき比率です。自動車運転免許試験場では、2種免許の取得に際して深視力の検査を行いますが、不合格率は4%にすぎません。さっそその25名に対して、メガネを合ったものにかえさせるなどして、深視力を上げるように指導しました。その結果、明らかに事故が起きる割合が減ったそうです。

④.瞬間視

瞬間視とは、一瞬のうちに多くの目標を認知する能力です。瞬間的に見える映像から、必要な情報をどれだけたくさん得られるかは、人によってちがいます。以前フジテレビ系の「なるほど・ザワールド」という番組の中で、瞬間視力を働かせるクイズがありました。ある動く映像を流している途中で、瞬間的に別の止まった映像を映し出すのです。回答者は、瞬間的にあらわれた像が何かを当てます。回答者の中には、いつもすばやく見つける人がいるかと思えば、まったくわからない人もいます。また、同じ人でも瞬間視力は、そのときどきの調子=覚醒度(さえの度合い)によって左右されやすく、いわゆる「乗っている状態」や「ハイな状態」のほうが、能力が高まるようです。

<必要な場面>:

エッジングやストックワークを行う前に、旗門の位置や雪面状況を見るとき

「中田選手のダイレクトスパイク」のお話:

1993年の女子バレーボール日本リーグはプレーオフとなり、日立とヨーカドーの間で、優勝をかけた一戦が行われた。両チームの実力は接近し、フルセットに突入。闘魂の花火が散り、ゲームはまさに白熱。日立がいよいよマッチポイントを迎え、ヨーカドーから戻ったボールが、日立の名セッター中田選手にわたり8ました。場内はもとよりヨーカドー側も、「中田は誰にトスするのか?」と注目。その瞬間、中田選手は大きな賭けに出ました。意表をついたダイレクトスパイクを鮮やかに決め、熱い戦いに幕をおろしたのでした。中田選手のこのプレーを、ファンや解説者は「センス抜群」「神業」などと興奮してほめたたえましたが、しかしそれではこのプレーのすばらしさを、本当に理解したことにはなりません。実はここに、スポーツビジョンの瞬間視が見事に生かされていたのです。日立のYコーチは、いいます。「セッターにボールが返ってくるとき、常にチラッと相手のコートを観察させる」つまり瞬間視の大切さを、同コーチは中田選手に植え付けていたのです。そしてチラッと観察してから、次の作戦をとるよう指示しています。「もし、フォーメーションにスキがあれば、ちゅうちょなくフェイントやダイレクトスパイクを仕掛ける」中田選手の「抜群なセンス」や「神業」は、瞬間視の能力を日頃から強く意識してトレーイングすることにより引き出されたということができます。もし中田選手の瞬間視力が低ければ、相手の守備陣形のスキをついた、的確なダイレクトスパイクは成功しなかったでしょう。もちろんダイレクトスパイクという高度な技術も欠かせませんが、守備のスキを瞬時に発見し、「ダイレクトスパイクでいこう!」と判断し、どこへ打つのがいちばんよいかを知るには、瞬間視力がものをいいます。

⑤.目と手・足の協調性

目と手・足の協調性とは、視覚で認識した目標に対しすばやく手(または体・足)で反応する能力。ものを見て動作を始めるまでの眼と脳と手・足のメカニズは、カンタンに説明すると次の通りです。眼で得た情報を脳に送り、脳でその情報の内容を調べ、今までの知識をもとにある判断を下し、その判断を実現させるために必要な動作の指令を手足に出します。脳がコンピューターだとすれば、眼は入力回路で、手足は出力回路となるわけです。例えば、アメリカの映画で、こんなシーンがありました。旅に出た高校生ぐらいの少年がお金に困り、見知らぬ町の酒場に入って、見るから強そうな荒れ男たちに向かって、大声でこういいました。「誰かオレと賭けをしないか。」男たちは生意気なガキだと胸ぐらをつかんでつめより、ケガしないうちにとっとと出ていけと追い払おうとします。しかし少年はひるむことなく続けます。「54枚のカードの中から、好きなカードを選べ。それをまぜたカードをよく切って、放り投げろ。オレは、選んだカードに空中でナイフを突き刺す」。酒場中が大笑いをしました。けれど少年は真剣です。その真剣さに負けて、酒場ぼ何十人もの客が書けに参加することになりました。もちろん少年に賭ける者は誰一人としていません。荒くれ男の一人がカードを選び、54枚のカードを空中に放り投げました。カードは飛び散り、ヒラヒラと落下してきます。ナイフを左手に持った少年の目が、チカチカと動き、選ばれたカードを探します。少年の左手が動き、ナイフがキラリと光って飛び、見事1枚のカードを貫いて壁に突き刺さりました。それまで騒然としていた酒場が水をうったように静まり返り、少年は賭けに勝ちました。こんな話など実現にはあり得ないことかも知れません。しかし、目から入力した情報により、すばやく手で正確に反応する能力を高めていけば、常識ではあり得ないことも、実現する可能性があります。神業! ミラクル! アンビリーバブル!などと驚嘆に値するスポーツのプレーは、神の仕業ではなく、奇跡ではなく、信じられないことでもないのです。目と手・足の協調能力を高めた先にある人間の仕業であると考えたほうがよいでしょう。

<必要な場面>:

Ⅰ.ストックワーク Ⅱ.エッジング

「サッカーと目と手・足の協調性」のお話:

たとえば、サッカーのゴールキーパーの動きを例にとると、キッカーの立ち足のつま先が、自分の右の方向に向いていることを発見したとき、キーパーはこれまでの経験と知識から、ボールが右にくることを予測し、右足に重心をかけ、右へのセービングを開始します。このとき、目からの入力情報は「立ち足のつま先の方向」、脳の中の知識は「立ち足のつま先の方向で、脳の下下司令、つまり出力情報は「右へのセービング」となるわけです。では、ここで問題です。2人のキーパーがいて、上の列と同じ状況にのぞみました。次の条件は2人とも同じです。 ・体格 ・経験と知識 ・セービング能力 ・眼から脳への情報伝達時間 ・脳内で判断に要する時間 ・動作の種類を手足に伝える時間 ・セービング動作のスポードと質 そして、予測通りキッカーはキーパーの右にキックしました。このとき、1人がセービングに成功し、もう1人が失敗したとしたら、何の差によると考えられるでしょうか。答えは眼です。0.1秒でも早く、「立ち足が右うを向いている」という視覚情報をキャッチすることにより、セービングの成功率は、かぎりなく高くなるのです。

⑥.周辺視力

周辺視力とは、数値で客観的に評価するのは困難だが、周辺視野域における認知力(動きや光、あるいは大きな視標)をチェックする能力。②の眼球運動のところでも説明しましたが、人はものを見るとき、眼玉をグリッと動かして、視野の中心で目標をとらえようとします。これは、視野の中心で見たほうが、ものの色や形がよく見えるからです。視野の周辺にいくほど、色や形がわかりにくくなります。では、1つの目標を目の中心で見るとき(=中心視)、周辺視力は不必要になるのでしょうか。だとすれば、スポーツのプレーの多くは、中心視をもとにしているので、ノールック・パスなどの特殊な場合以外、周辺視力は、役に立ってこないことになります。こんな2つの実験があります。野球の外野手が本塁へバックホームの遠投をするとき、また、バスケットボールでフリースローをするとき、周辺視野をふさぎ中心視だけにすると、コントロールや成功率は、どのように変化するか。大学野球部の外野手14人に、ホームベースから85m離れて、バックホームしてもらいました。結果は、周辺視野をふさぐ割合を高くするほど、ホームベースから左右にそれる距離が大きくなりました。同じように大学バスケットボール部の部員20人で行ったフリースローの実験でも、周辺視野が狭くなるにつれて、成功率は悪くなりました。この2つの結果は、周辺視力が体のバランス保持に関係していることを示します。体のバランスは、耳の中の機能によっても保たれますが、視覚にも左右されます。片足立ちして両眼を閉じたり、両岸の外側を紙などでふさぐと、ふらふらして立っていられなくなることからもわかります。周辺視野が狭くなると目標の位置を見極める感覚が低下し、さらに体のバランスが悪くなり、その結果、遠投やフリースローのコントロールが乱れてくるのです。

<必要な場面>:

Ⅰ.ストックワークのタイミングのキャッチ Ⅱ.エッジングのタイミングのキャッチ

「マジックジョンソンと周辺視力」のお話:

NBAロサンゼルス・レイカーズを何度も優勝に導き、92年バルセロナ・オリンピックでは、ドリームチームのキャプテンを務め、その後引退したアーヴィン・ジョンソンは、またの名をマジック・ジョンソンといいます。何が魔法といえば、彼のパスワークです。彼はポイント・ガ^-ド(攻撃コントロールタワー)として活躍し、NBAの通算アシスト記録9921を持ちます。アシスト・パス、つまりシュートに直結した決定的なパスをくり出すその技術は、世界最高水準のディフェンス技術を持つはずの他のNBAのプレーヤーたちをも子どもあつかいました。また魔術師のように、体のあちこちからパスをリリースし、ときにはレシーバーをまったく見ることなく、ピンポイント・パスを通したのです。レシーバーを見ないでリリースするパスを、とくにノールック・パスとよびますが、まったく見ていないわけではなく、視野の端で、ちゃんととらえているのです。NBAともなれば、コンビネーションはしっかりしていて、プレーごとに暗黙の了解があります。たとえば、速攻でマジックがセンターからドリブル・インしたときには、フォローのプレーヤーが、必ずマジックの右斜め後から走ってくるなどと、そのときマジックは、自分がシュートに持ち込むふりをして、視線もゴールに向けディフェンスを十分引きつけます。しかし、右眼の端では、右斜め後から走り込んでくる味方を一瞬キャッチし、シュート・リリースの瞬間にノールック・パスに切り替えてしまうのです。彼の起こす魔法には、いくつかのタネがありました。コンビネーション、巧妙なパス・テクニック・・・。そして、眼の端に映るものをキャッチする能力=周辺視力も、その大切なタネの1つだったのです。

⑦.視覚化能力

視覚化能力とは、視覚的なイマジネーションで、目に見えるように頭の中で描ける能力。実際には眼を使わなくても、使ったような効果を得るためには、漠然とイメージするのではなく、本当に自分の体を動かしている感じを眼で見ているようにしらなければなりません。たとえば、テニスでバックハンドのアングル・ショットを視覚化します。そのとき、なんとなくそのプレーをイメージするのではなく、足の踏み込み方、バックスイング、インパクト、フォロースルーなど、一連の動作をこと細かく思い描くのです。そうすると、思い描いた動作に必要な筋肉が、収縮することがあるのです。そんな実験結果も報告されています。たとえ筋肉が収縮しなくても、正確な視覚化を心がけることにより、脳から理想的な動作司令を発するトレーニングとなります。その結果、現実にプレーをするときも、スムーズですばやい動作司令が発信され、すばらしいプレーやパフォーマンスが生み出されることになるのです。

「帝王ニクラウスのプレーを支える視覚化」のお話:

現代のゴルフ界のスーパースターといえば、この人をおいてほかにいません。ジャック・ニクラウス。彼は世界の5大メジャータイトル(全英オープン、全米オープン、マスターズ、全米プロ、全米アマ)すべてで優勝しているだけでなく、そのメジャー優勝回数を合計すると20回にもなります。現代はおろか過去のスーパースターたちを見回しても、そんな驚異的な記録を残した怪物はいません。まさに、ニックネームの「帝王」にふさわしい戦績です。その彼が、ショットの秘訣をこう教えています。「頭の中で映画を見るようなものです。・・・・・まずフィニッシュしたい場所にボールをおいて見る・・・・次にボールがそこに飛んで行く様子を見る・・・・・・最後にこの2つのイメージを実現するにはどのスイングがいいのか、そのスイングを視覚化してみます。ボールを落とす理想的な場所、そこに届くまでのボールの軌跡、そしてその場所への到達と軌跡を実現するための理想的なスイング、それらをすべて頭の中「見る」ことが大切だと言っているのです。もちろん帝王ニクラウスの栄光は、血のにじむような練習、トレーニング、卓越した闘志などを抜きに考えることはできません。しかし、視覚化能力の開発もその栄光の一翼を担っていたということは確かです。

⑧.視覚集中力

集中力には精神と視覚の両方がある。視覚集中力とは、見えていても見えていないことを失くす能力。たとえばアメリカの有名なプロのテニス・コーチ、ティモシィ・ゴールウェイは、正確なグランド・ストロークをするために、テニスボールの縫い目に焦点を合わせるか、集中するようにと指導しました。また、NFLクリーブランド・ブラウンズのコーチだったブラント・コリアは、クォーターバックにレシーバーの体全体ではなく、胸、片、顔、腰などに焦点を合わせるようにと指示しました。ニューヨーク・ジャイアンツの名クォーターバック、スコット・ブルナーもブラウンズの意見には賛成のようで、「目標を小さく決めると、ミスがへり、正確性があげられる」といっています。あるいは、NBAニューヨーク・ニックスで活躍したビル・ブラッドレーは、ニックスに入る前ブリストン大学で、21回連続フリースロー成功という大記録をつくりましたが、その秘訣は、フリースローのときリング全体を漠然と見るのではなく、ネットをリングに固定するためにリングのい下に取り付けられた小さなスチールの穴のひとつに集中することでした。これらの話に共通していることは、目標を漠然と見るのではなく、目標の中のより小さなポイントに焦点を合わせることです。それにより、視覚集中力が一段と高まり、動体視力、眼球運動、深視力などのスポーツビジョンが効果的に働き、ひてはすぐれたプレーやパフォーマンスが生み出されることがあるのです。

「標識が見えてない初心者ドライバーと校正のお仕事」のお話:

駅前の商店街の狭い道を、対向車や通行人の冷たい視線を浴びながら、バックしていくクルマを、ときどき見かけます。一方通行と知らずに入り込んでしまったのです。誰でも若葉マークのころは、一度や二度、そんな失敗をおかします。赤地に白い横線の進入禁止の標識は、必ず視野に入るもので、見落とそうとしてもなかなか見逃せません。標識を見るときに使われるスポーツビジョンは、主に瞬間視ですが、たとえ瞬間視の能力が低くても、標識は眼に入るはずです。にもかかわらず見逃してしまうのは、やはり集中力が不足しているからです。また、校正という仕事があります。文字の間違いを発見して赤エンピツで直す仕事です。漢字や言葉を知っていれば、誰にでもできそうですが、実はなかなか大変で、素人が行うと見落としがたくさん出てきます。校正に使うスポーツビジョンは、主に眼球運動で、スムーズな視線の移動によって、中心視やで文字をとらえ続けなければなりません。ふつうの読書で行うような視線を飛ばす飛ばし読みをすれば、必ず見逃しが出てきます。しかし、たとえスムーズな眼球運動を行っても、素人はカンペキに校正することができません。まちがった文字を見ているにもかかわらず、気が付かないで通りすぎてしまうことが多いからです。つまり、実際には眼で見ているはずなのに、見えないことがあるのです。なぜ、見ているのに見えないのでしょうか?理由はいくつか考えられますが、そのひとつは、視覚集中力の不足です。集中力が不足すると、「日」「曰」、「日」と「月」、「士」と「土」など、まぎらわしい文字の区別がつかなくなってしまうのです。

⑨.焦点調節/輻輳・解散

自動的にピントを合わせてしまうAF(オートフォーカス=自動焦点)カメラが発明されたとき、誰もがびっくりしました。しかし、人の目の自動焦点調節機能に比べたら、まだまだその能力は幼稚です。なにしろ眼は、遠くは夜空の星から、近くは眼の前数センチのものまで、一瞬のうちにピントを合わせてしまうのですから、そんなすごいカメラはありません。しかも眼はカメラとはちがい、レンズを前後に移動させて焦点距離を変えるのではなく、レンズ(水晶体)の厚みを変えることで、焦点距離を変えているのです。最近のハイテクでも、このような眼の機能をまねすることはできません。さて、スポーツビジョンとして問題になるのは、いろいろな距離の目標に焦点を合わせるために、水晶体が厚みを変えるときの速さと正確さです。たとえば、テニスでは、インパクトの瞬間に手元のボールに焦点を併せ、次にすぐさま相手コートに飛んでいったボールや相手の動きに焦点を合わせなければなりません。また、その逆もあります。とにかく、近い目標と遠い目標を交互に、どれだけすばやく正確にとらえることができるかが、非常に重要になってくるわけです。このときの、水晶体を厚くしたり薄くしたりする能力を、焦点調節能力とよんでいます。また、近くにあるひとつの目標を見るときには、両眼が寄り眼になります。この両眼の動きを輻輳といいます。そして遠くにあるひとつの目標を見るとき、両眼の視線は開いて平行に近づいていきます。これを開散といいます。つまり、焦点調節と輻輳・開散は、いつも連動して起こるのです。近くの目標を見るときは、水晶体を厚くして寄り目になり、遠くの目標を見るとき、水晶体を薄くして視線を開くのです。この連動した動きが、スムーズにすばやく正確に行われることにより、さまざまなスポーツビジョンが効果的に働きます。

<必要な場面>:

特にスキーにおいての重要度は低い。

「こんなスポーツこんな場面で威力発揮」のお話:

遠くの目標と近くの目標を、交互に見なければならないスポーツでは、焦点調節、輻輳・開散の能力が、競技力に影響します。たとえば、目標の距離移動が大きいボール・スポーツ、たとえば野球、サッカー、バスケットボール、バレーボール、テニスなどでは、インパクト、パス、シュート、ストロークなどの正確さに関係してくるでしょう。また、アーチェリーや射撃なども、遠くの的と眼の前のサイトを見比べる必要があるので、これらの能力(焦点調節、輻輳・開散)が重要となります。

      スキーどきの目の「保護」が重要

■紫外線のこと・・・

短時間に急激な紫外線を浴びることによる眼の疾患、長年の紫外線量が将来の眼の疾患、いずれにしても紫外線は眼の大敵。

紫外線による眼の障害には、強度の紫外線を短時間浴びたことで生じる充血、角膜炎、雪眼炎(いわゆるユキメ)などの急性障害と長年の紫外線被曝の蓄積により生じる白内障や翼状片などの慢性障害があります。雪山におけるスポーツを楽しむ際、特に気をつけたい紫外線による眼の急性障害は「雪眼炎」です。角膜は、皮膚よりも紫外線の影響を受けやすく、強い紫外線を短時間浴びただけでも角膜の炎症を起こす危険性があります。「雪眼炎」を繰り返すことにより、将来慢性障害である翼状片や白内障を発症する危険性が高くなる可能性があります。

雪山であらゆる方向から眼に入ってくる強い紫外線を防ぐには眼を完全に覆うことができる「ゴーグル」が最も有効です。雪山では下方からの反射が多いため「帽子」の効果は少なく、「サングラス」も顔との隙間が大きいと単独では十分な効果が得られない可能性があります。

■雪目・・・スキーにおけるゴーグルの重要性

 

スキーにおける眼の保護としてゴーグルは欠かせないアイテムです。 太陽光に含まれる紫外線を浴びることによって前眼部に病変が生じる。雪目とはその急性照射によって発症し、スキー、登山、雪山での作業などの際発症する疾患である。

太陽光のうち、可視光の波長は400nm(紫)~760nm(赤)の幅を有する。可視光線のすぐ短波長域を紫外線と呼ぶ。さらに紫外線はその波長によりUVーC(200~290nm)、UV-B(290~320nm)、UV-A(320~400nm)の3種類に分類する。UVーCはオゾン層によって吸収されるため地上に届く太陽光に存在されないとされている。また、波長300nm~400nmの紫外線は、角膜を通過しそのほとんどが水晶体に達するので白内障を引き起こす可能性が問題となるが、角膜では、病変をおこさず、200nm~300nmの波長の紫外線が角膜に吸収され病変を引き起こしやすい。なかでも260nm~280nmの紫外線に対し、角膜は最も感受性が高い。以上のように、太陽光に含まれる紫外線を多量に浴びて点状表層角膜炎などの角膜障害を引き起こすことが、いわゆる「雪目」である。太陽光に含まれる紫外線は大気で吸収されるので、地上に降り注ぐ量は、夏季ほど多く、1日では昼に多く、高度が高くなるほど多く」なる。いったん地上に降り注いだ紫外線は地上で反射されるが、草土ではそのほとんどが吸収されるのに対し、雪面では反射率がきわめて高くそのほとんどが反射される。したがって雪山では上方からも下方からも紫外線を受けることとなる。一般的に、雪山スキーでは1~2時間を超えて行うと角膜病変が発症するとされている。