度付きスポーツグラス&メガネと目の保護グラス

例えば、サバイバルゲーム時の保護メガネや、サッカー・バスケットボール・ラクロス・アメリカンフットボール時等の度付きゴーグル、学校・クラブチームのスポーツによる眼損傷の予防としての保護用度入りグラスをご提案。

スポーツ用グラスと視力と視機能について

子供から大人までの野球、ゴルフ、スキー、オートバイ、サーフィン等のスポーツ競技は、運動能力だけでなく、目の能力も大変重要と言われています。この様な競技に合ったスポーツグラス選びも大切です。

スポーツグラス度入りの選び方

スポーツの競技(種目)をされる方が全員「目が良い」とは限りません。スポーツ競技時のメガネのフレームやレンズ、サングラスの度付き選びは、競技におけるパフォーマンスの成果が違ってくることご存知ですか。

スポーツゴーグル、サングラス、メガネ等取扱品

スポーツ競技に合ったサングラス、ゴーグル、保護グラスや、普段眼鏡を掛けておられる方に合ったメガネ、度付きサングラス、度入りゴーグル等、様々な競技用途に合った、フレームやレンズ、カラー特性選びをご提案。

スポーツグラス相談室 

プレー中の快適な保護メガネ、サングラス、ゴーグルや、普段眼鏡を掛けておられる方々のメガネ、度入りサングラス、度付きゴーグル等の製作に当たっての様々な問題のご相談にお答えします。

Home » スポーツ用グラスと視力と視機能について

スポーツと目 6 スポーツビジョン Ⅰ

2012年10月13日 – 6:03 PM

スポーツビジョンとは

メガネを掛けている人のスポーツどきのメガネ、度付きゴーグルのご紹介。 アメリカでは、約50年ほど前からスポーツと機能に関する調査・研究がおこなわれているが、スポーツ選手の視機能の検査、矯正、トレーニングなどを体系的におこなおうという試みが始まったのは十数年前からである。アメリカではこれを「スポーツビジョン」と総称している。スポーツビジョンを目的として、アメリカ・オプトメトリック協会のなかに「スポーツビジョン・セクション」が1978年に設立された。その後、1984年にもう1つの組織である「ナショナル・アカデミー・オブスポーツビジョン」がつくられている。いずれの組織も、眼科医、オプトメトリスト、研究者、コーチなどからなっている。
アメリカには眼に関する専門家として、オフサロモノジスト(眼科医)、オプトメトリスト(検眼医)、オプティシャン(眼鏡士)の三業種がある。オプトメトリストは、わが国ではこれに相当する制度はないが、眼科医と眼鏡士の中間に位置し、視力の検査、視力障害を改善する処方や視力訓練などを業務としている。わが国でも屈折検査は本来、眼科医の仕事であるが、実際には眼鏡店でもおこなわれているように、アメリカでもオプトメトリストと眼科医の境界はあいまいで一部ではだぶっているという。オプトメトリストの作成した処方で、オプティシャンといわれる技師が眼鏡をつくることが多いという。
1990年「ナショナル・アカデミー・オブ。スポーツビジョン」の総会では、スポーツと視機能の基礎的な研究の発表、スポーツ選手用のコンタクトレンズの開発、スポーツ中の眼傷害の報告などが中心であった。プロスポーツと契約して選手の視力矯正や視機能のトレーニングをおこなっているオプトメトリストの実践報告もあって内容は多彩であった。視機能をトレーニングするというコンセプトはアメリカでも目新しいようで、トレーニングの実践コーナーでは参加者との間で活発な意見交換がおこなわれていた、
アメリカのスポーツビジョンの概念は、主として次の4つである。
・検査
・矯正
・強化
・保護
スポーツにおいて必要な視機能を検査し、矯正できるものは矯正し、視機能を強化し、スポーツ中のケガから眼を保護するといういもので、基本的には選手のもpつポテンシャル(潜在能力)を向上させ、パフォーマンスのアップに寄与しようというものである。アメリカでは、コロラドスプリングスにあるオリンピックトレーニングセンター内にスポーツビジョンセンターが設置され、これまでオリンピック候補選手三千名の視機能が検査されている。

スポーツビジョンの測定項目

眼鏡を掛けている人のスポーツどきのメガネ、度付きゴーグルのご紹介。 さて、わが国でもスポーツと眼に興味を持つ医師、研究者などを中心として、一九八八年にスポーツビジョン研究会が八足し(著者もメンバーの1人)、東京メガネ(株)が開設したスポーツビジョンセンターで、スポーツ選手の視機能検査を手始めに活動を開始した。
視機能検査は基本的にはアメリカのスポーツビジョン検査項目に準拠したものであるが、興味を持っている方も多いと思うのでどのような検査なのか簡単に紹介する。
検査項目は次の11項目であり、測定結果を5段階評価している。検査はすべて実際のスポーツと同様に両眼視でおこない、必要があればメガネ、コンタクトレンズで矯正もおこなっている。
①視力
・静止視力
・動体視力(KVAの動体視力を測定)
②コントラスト感度
色や明るさの微妙な差を識別する能力。
コントラスト表を使用する。
③眼球運動
King-Devickテスト表を使う。不規則な間隔に書かれた数字を読み取っていくものである。左上から始め、読み終わるまでの所要時間を測定する。外眼筋の共同運動の正確性とスピードが要求される。
④焦点調節能力
水晶体による調節機能の良否を測定する。+2ジオプターと-2ジオプターのレンズで交互に視標を見させる。レンズによってはじめは視標はボケているが、どのくらいの時間でピントが合うかという調節時間を測定する。ブロックフリッパーテストという。
⑤輻輳調節能力
プリズムを使ったメガネを使い、強制的に輻輳、あるいは開散させた視線が正常な両眼筋視を保とうとする能力を測定する。外眼筋のうち、内・外直筋の共同運動による。プリズムフリッパーテストという。
⑥ブロックストリングテスト
2つの球(ブロック)をつけたひもを使用する。球を眼の前方、5mと2.5mの位置におき、ひもの端を鼻にあて、2つの球を見る。5m、2.5メートルにある球をそれぞれ見た場合、実際に感覚される(あると思う)球の位置と、実際の位置の間に距離的なズレが生じる。その誤差が少ないほどよい。実際の距離よりも遠くに感じる、あるいは近くに感じるという距離感に関係する。
⑦深視力
空間における位置関係(立体感)の検査。
深視力計(CP-250NS)を使うが、その他、立体鏡を補助的に利用する。
⑧光感度
薄暗いなかで見る能力、および、まぶしさ(グレア)からの回復力をみるテストである。夜間視力計(AAA-3538)を使用する。
⑨瞬間視
タキストコープによって六桁の数字を0.1秒間投影する。数字をどれだけ知覚できたかを調べる。
⑩眼と手の協応動作
ウエイン社製のサッカディック・フィグゼターを使う。これはパネルに提示される視標を手でタッチし、規定時間内にタッチした数が多いほど、眼と手の協応動作がすふれているというものである。反応時間とともに、視野の広さ、眼球運動などが関係する。
⑪高さ見積もり
ものの大きさ、高さ、距離の目測能力を検査するもの。深視力、立体感覚に関係する。

一流選手は眼がよい

眼鏡を掛けている人のスポーツどきのメガネ、度付きゴーグル&サングラスのご紹介。 現在、スポーツビジョン研究会は次の目的で調査をおこなっている。
・スポーツ選手の視機能から競技力を評価することができる。
・スポーツ種目によってどのような視機能が重要か。
現在のところ、次のような理由から、わが国の一流選手を調査対象としている。
トップレベルにある選手は体力、精神力、技術力などの差は紙一重である。このため、監督・コーチからみると、これらの能力を充分持っていながら、どうしてこの選手の競技力が低いのか、その原因が見出せないことがしばしばある。そこで、念のために眼を調べたら視機能の不全や低下がみるかり、矯正することによって本来の競技力を発揮したという例は少なくない。東京メガネのスポーツビジョンセンターではこのような事例を多く手がけている。つまり、競技レベルの低いところでは「眼」がきいてくるというわけである。
これまで検査をおこなった種目は、バスケットボール、バレーボール、サッカー、野球、卓球、テニス、アメリカンフットボール、ゴルフ、バドミントンなどである。このうち。バレーボールとバスケットボール、サッカー、野球の結果を紹介する。
メガネを掛けている人のスポーツどきのメガネ、度付きゴーグル&サングラスのご紹介。 ・バレーボール
対象は、1989年度の日本リーグ1部で優勝した女子バレーボールチーム20名。全員を検査し、1~5段階評価をしたのち、5段階評価を総計し、総合点で順位をつけた。この結果は、監督・コーチには一切知らせず、20名の選手を次の3クラスにわけてもらった。
Aクラス・・・とくに競技力にすぐれ、スターティングメンバーとして信頼されている選手
Bクラス・・・Aにつぐグループで、交代要因として出場する場合もある選手
Cクラス・・・公式試合にまず出場する機会のない選手
メガネを掛けている人のスポーツどきの競技に適した度付きスポーツグラスの紹介。  左図は、競技力を表す客観的指数と考えられる公式戦でのスパイク決定率と、11項目の照合点(以下、スポーツビジョン得点)との相関である。スパイク決定率はA、B、Cの順に高い傾向がある。破線より左の公式戦へ出場する機会がなかったCクラス5名の選手を除く15名の相関は、R=0.550で、スパイク決定率とスポーツビジョン得点の間には有意な相関がある。つまり、スポーツビジョン得点の高い選手はスパイク決定率も高いということになる。
測定した11項目の視機能ではAクラスの選手は動体視力、眼球運動。深視力、瞬間視、眼と手の協応動作がB、Cクラスより有意にすぐれていた。
このチームのメンバーに1989~90年の1年間にわたって、ビジュアルトレーニングをおこなった(×印の選手はその間に退部している)。ビジュアルトレーニングは、ブロックフリッパーを使った眼の焦点調節、プリズムフリッパーを使った輻輳調節のトレーニング、そしてAcu-vision1000という装置(後出)が使った眼と手の協応動作のトレーニングである。遠征、試合などで多くの選手はトレーニングが続けられなかったが、F選手、T選手は1年間継続できた。
その結果、F選手のスポーツビジョン得点は34点から43点に、同じくT選手は36点から39点にアップしている。同時にスパイク決定率もそれぞれ35%から40%に、40%から50%nアップしており、ビジュアルトレーニングとパフォーマンスの向上に正の相関を得ている。

メガネを掛けている人のスポーツどきの競技に適した度つきスポーツグラスの紹介。   ・バスケットボール

バスケットボール日本リーグ1部2チーム、大学選手権上位2チーム、高校生1チームの計5チームの45名。バレーボール同様、検査結果はしらせずに暮らすわけをしてもらった結果、Aクラス14名、Bクラス18名、Cクラス13名前であった。
左図はバスケットボール選手の視機能特性である。それぞれの項目の平均からの偏差で表してある。

Aクラスの選手がほとんどの項目でよい成績である。動体視力、コントラスト感度、焦点調整力、深視力ではB、Cクラスより有意に高く、B、Cクラス間には差がないという結果であった。

メガネを掛けている人のスポーツどきの競技に適した度入りスポーツグラスの紹介。 ・サッカー

プロ化が決定している日本のリーグチーム。A、B、Cクラスそれぞれ8名、12名、4名である。

眼球運動、深視力、眼ー手の協応動作、高さ見積もりでAクラスの選手はすぐれていた。総得点でもA>B>Cの順である。サッカーでは眼と手の協応動作よりも眼と足の方が重要である。

そこで、眼ー足の協応動作も測定したが、結果はA>B>Cの準であった。

メガネを掛けている人のスポーツどきの競技に適したスポーツグラス度入りの紹介。 ・野球

前出(特殊視力:バティングと動体視力)の野球チーム。A、B、Cクラスそれぞれ12名、9名、6名である。Aクラスの選手がほとんどの項目ですぐれており、とくに動体視力、眼球運動、深視力に優れていた。総合点でもA>B>Cの順で、AクラスとCクラスの総得点の差は統計的に有意であった。

以上の4種目をまとめたのが図20である。測定項目のほとんどが、A>B>Cくらすという順であり、眼のよしあいと競技力には密接な関係があることを示唆している。とくにAクラスの選手の眼はすぐれており、動体視力、焦点調整能力、深能力、眼と手の協応動作の4つの能力は、B、Cクラスとは明らかな違いがあることがわかる。検査対象が少ないので早急な結論は出せないが、この結果をもとにすると次のことが言えそうである。
・競技レベルの高い選手はすぐれた視機能を持っている。
・視機能は競技力を推測する尺度の1つとなる可能性がある。

「眼」のコンセプト

メガネを掛けている人のスポーツどきの競技に適したスポーツグラス度つきの紹介。 11の測定項目からわkるように、スポーツビジョン研究会では「眼」を単に「視力」とみなしていない。すでに述べたように、視力は、ものの形や細部がはっきり見えるか、という刑能覚の鋭敏さである。スポーツでは、眼を通して入力する情報は時々刻々と変化するから、時間軸を持っていない(静止したものを見る)視力とスポーツの成績とは関係が少ない。事実、多くの研究から得られる視力(静止能力)とパフォーマンスの相関は低いものである。
もちろん、視力がわるくてボールはよく三見えなかったり、敵と味方の区別ができないといった場合は論外であるが、それは正しく矯正することで解決できることである。よい視力はスポーツの出発点で、ゴールではないと考えている。
すでに述べたように、ひと口にスポーツといっても、そこでの眼の使われ方はさまざまであるが、とくにボールゲームなどの動きのあるスポーツで要求される。「眼」は、基本的には動くものを知覚する能力と考えられる。たとえば、先のバレーボールやバスケットボールなどでは見えるものはすべて動いている。自身が動きながら動くものを見る。ボールや選手が遠ざかる、近づく、左右に激しく動く、ジャンプする、敵や味方が前後する。このようななかで必要な眼の能力は、以下のようなものである。
・視野の周辺で、動くものを感知する周辺知覚
・動くものを的確に中心寓におさめる眼球運動
・中心寓におさめた像にすばやくピントを合わせる調整作用
・前後差を知覚する深視力
・ボールが接近したときの動体視力や輻輳
・見たものを瞬間的に知覚する瞬間視

スポーツではこれらの機能はほぼ同時に、しかも休むことなく連続的に働いている。動くものを迅速にとらえ、正確に把捉し、鋭敏に知覚することが求められるのがスポーツにおける「眼」である。このような能力は、本来、統合された一種の動体知覚(動くものの知覚)のようなものであって、個々の機能に分割しそれを総合すれば判定できるものではないが、現在は最適な測定法がないので、いくつかの視機能にわけ、総合することによって判断せざるを得ないと考えている。一般の人の通常の生活では、スポーツ選手のような眼の使い方をすることは少ない。後述するように、スポーツ選手は一般の人よりすぐれた眼を持っているが、スポーツ選手が特殊とか素質的にすぐれているのではなく、このような眼の能力は潜在的に誰にでもあるが、一般の人ではそれが開発されていないだけであると考えている。スポーツ選手の場合、スポーツが動くものを見る訓練になっていて、それを、長い年月繰り返した結果、すぐれた視機能を持つにいたったと推測される。したがって、先の一流選手の間でもレベルによって差があるというのも、長い間、高いレベルでの練習や試合を多く経験したことが、他の選手の視機能と差がついたものと考えている。
すぐれた視機能を持つことによって、視覚情報収集の質と量が高まり、それが高いパフォーマンスにつながると考えられるのであるが、現状では両者の因果関係を説明できるものは何もない。いまの段階でわかっているのは、一流のスポーツ選手はすぐれた眼を持っているということだけであって、それがスポーツのパフォーマンスにどのように貢献しているかはまったくわかっていない。
スポーツビジョンの研究は始まったばかりなので、測定の見直しや装置の開発をはじめとして多くの課題がある。現在、多くのスポーツ種目の検査をおこなって、データの収集をしているので興味のある方は東京メガネのスポーツビジョンセンター(TEL:03-3411-6323)までどうぞ。