スポーツどきの紫外線対策のこと
太陽から地球に届く光は波長により、眼に見える「可視光線」(白色光:太陽光をプリズムに通すと赤・橙・黄・緑・青・藍・青紫7色に見えます)と眼に見えない「不可視光線」(紫外線・赤外線など)があります。これらすべてての光は人間に影響を及ぼします。簡単にいえば赤外線に近い(波長が長い)光ほど熱的な反応を起こし、紫外線に近い(波長が短い)光ほど物質に吸収されて科学反応を起こしやすいのです。そのため、紫外線はガンなどの病気の原因にもなります。
紫外線
■紫外線とは?
紫外線とは400nm以下の波長をいいます。紫外光いわゆる可視光線の外側(短波長側)に位置するためこう呼ばれています。そしてこのUVはCIE(国際照明委員会)やWHO(世界保険機構)で、波長によりABCに分類されています。紫外線UV-Cはオゾン層に吸収されますが、UV-A(315nm~400nm)は水晶体への日々の蓄積により白内障を誘発することがあり、また、UV-B(280nm~315nm)は角膜に吸収され、角膜炎をひきおこしたりするといわれています。
青色光
■青色光のことご存知ですか?
見逃してならないのが、可視光線であっても波長の短い「青色光」までは、弱いながらも人体に科学反応を起こす力がある点です(ここでは、可視光線のうち380ナノメートルから495ナノメートルまでを「青色光」と呼ぶことにします)。紫外線は上記記述のように物質に吸収されやすいために、眼の表面にある角膜や水晶体に吸収されますが、青色光は可視光線なので、眼の奥の網膜まで届きます。そのため、眼の健康のためには紫外線対策はもちろん、青色光への対策も重要なのです。
■紫外線と可視光線(青色光以外)と青色光
その1:瞳に多大なダメージを及ぼす紫外線の影響とは・・・
肌は日焼け止めでガードしていても、瞳のケアには無頓着という人も多いはず。では瞳に紫外線が当たるとどのような影響があるのでしょうか?「紫外線は皮膚の加齢に関連するUV-Aと、日焼けやガンを引き起こすとされるUV-Bに分けられ、UV-Bがより悪影響を与えます。UV-Bの大部分は角膜や水晶体といった目の前面で吸収されてその組織に障害を及ぼし、UV-Aは目の深くまで浸透。紫外線は、目の加齢やさまざまな眼疾患を引き起こす原因にもなりますが、帽子やアイウエアで防護することができます。
その2:紫外線同様に気をつけたい可視光線によるトラブル・・・
夏に生じる目のトラブルへの対策というと、紫外線ばかりを意識しがちですが、実は可視光線(人間の目で見える光)も目にダメージを与える原因の1つ。「直射日光の強い刺激を目に受けると、目の表面の細胞に傷が付いて角膜炎などの炎症を引き起こすことがあります。夏場は看板や道路に反射した強い光が原因で、角膜や虹彩に損傷を与える可能性が考えられるでしょう。そのため目のトラブルを防ぐには、紫外線だけでなく、可視光線を遮ることが大切なのです。」
その3:紫外線が目に当たるとメラニンが増えるって本当?・・・
シミ、ソバカス原因となるメラニン。実は紫外線を肌に浴びなくても、目に可視光線が当たることによりメラニン細胞が刺激されるといわれています。「目に入った可視光線によりメラニン細胞ホルモンが刺激され、全身のメラニン合成が促進されるという経路があります」この仕組みからすると、いくら肌をガードしていても、目を護らなければ肌が黒くなるのを避けることができません。「紫外線はコンタクトレンズでも防ぐことはできますが、可視光線のコントロールはアイウエアでしかできません」
その4:目に光が当たると肌が黒くなるメカニズム・・・
①。可視光線が目に当たる ②.脳に情報が伝達される
③.メラニンが分泌 ④.肌が黒くなる原因
①.強い可視光線を目で受ける
②.脳下垂体に可視光線の刺激が伝わる
③.メラニン細胞刺激ホルモンにより全身のメラニン細胞が刺激
④.全身のメラニン合成が促進される
その5:紫外線と可視光線と青色光における目のトラブル・・・
①.虹彩炎 ー虹彩と毛様体の炎症。症状は眼痛。視力低下など。
②.角膜炎ー角膜の炎症。疼痛や流涙などの症状が表れる。
③.角膜びらんー角膜の表面が剥離した状態。流涙や羞明がおこる。
④.白内障ー水晶体が白く濁り、視野が白くなったり、光をまぶしく感じやすくなる。
⑤.雪眼炎症ー紫外線を大量に浴びることで角膜に細かいキズがつき、痛みを感じる。雪眼。
⑥.瞼裂斑ー紫外線を長時間浴びるなどして結膜が厚くなり、白目が黄色く濁る。
⑦.角膜変性ー角膜が混濁したり形状が変化する病気。
⑧.翼状片ー結膜から角膜に向かって組織がかぶさる症状。
⑨.黄斑変性ー青色光などにより目の網膜にある黄斑がダメージを受け、視力が低下したり、ものが歪んで見えたりする。失明することもある。